しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年6月2日(土)

きょうの潮流

 不起訴処分決定時の記者会見は異例だとか。大阪地検特捜部は「世間の耳目を集める事案の特殊性に鑑みて」と、森友問題の文書改ざんなどでなぜ元財務省幹部らを不起訴にしたかを説明しました▼「国民感情から大幅にずれていると思う」「国民の理解を得られるかどうかわからない」。こんな声が現旧の検察関係者からも上がりました。1時間半にわたった説明も、事件の真相にかかわる動機や指示系統などは語られないままでした▼なによりも疑惑の焦点にはなんら触れていません。安倍首相夫妻の関与は、なぜどんな経緯で値引きされたのか、文書改ざんと廃棄はなぜ誰の指示だったのか。会見で問われても、捜査の内容にかかわるからと25回以上も回答拒否に及んだとの報道も▼「いわゆる改ざんとかいった悪質のものではない」。先日、麻生財務相がこんな言葉を発して問題に。この発想、金額や日付など根幹部分は削られていないからと不起訴にした地検決定に酷似しているのは偶然でしょうか▼公文書の改ざん・廃棄という民主主義の根幹を揺るがす前代未聞の事件。それがなぜ何のために行われたのか。「国民はみんな知ってるんですよ。すべては総理を守るためですよ」(志位委員長)。それを承知でのあからさまな決定に、告発した市民団体は「検察までも安倍一強におびえて」と▼市民団体は近く検察審査会に異議申し立てをする予定です。司法の場での追撃とともに、真相解明と政治責任の追及へ国会の責務はいよいよ重く。


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