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2018年5月28日(月)

軽井沢 スキーバス事故を忘れない

再発防止の願い込め遺族が碑を建立

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(写真)「祈りの碑」に手を合わせる参加者ら=27日、長野県軽井沢町

 2016年1月に長野県軽井沢町で乗客13人と乗員2人が死亡、26人が重軽傷を負ったスキーツアーバス転落事故で27日、遺族でつくる「1・15サクラソウの会」が事故現場に建立した「祈りの碑」の除幕式が行われました。

 高さ2.2メートル幅1.8メートルの「祈りの碑」は、手を合わせる形を模した石材に13枚のガラスが挟むデザインです。犠牲となった学生ら13人を合わせた手が囲むイメージで造られました。

 遺族らが開いた式典では、事故で犠牲となった首都大学東京2年の田原寛さん=当時(19)=の父、田原義則さん(52)が「サクラソウの会」を代表して「碑には二つの思い。一つは犠牲となった13人の子どもたちのことをいつまでも忘れないように。もう一つは、二度とあのような事故が起きてほしくない再発防止への願いだ」とあいさつ。「再発防止の思いを人一倍持つ私たちが、その思いを形として残せたことは大きな前進だ」と建立の意義を語りました。

 除幕した碑には遺族や関係者らが次々と手を合わせ、花を手向けていました。

 式典には、関越道バス事故の岩上剛さん(46)、JR福知山線脱線事故の藤崎光子さん(78)、笹子トンネル天井板崩落事故の松本邦夫さん(68)、和代さん(68)夫妻、日航機墜落事故の美谷島邦子さんら公共交通の事故遺族が参加しました。

 松本和代さんは「13人を象徴するガラスがキラキラと輝いていて、未来ある10代20代の若い命が一瞬で亡くなったと思うとたまらない気持ちです」と語りました。

 式典後、田原さんは「事故の責任の所在が法廷で明確にされない限り、再発防止が完結しない。一日も早く事実を明らかにしてほしい」と、バス運行会社の社長と当時の運行管理者の早期の起訴を求めました。


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