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2018年5月28日(月)

差額ベッド料 厚労省新通知

「病室満室」は請求不可

日曜版報道に反響

 「他の部屋が満室」との理由で、患者を「差額ベッド料」のかかる病室(特別療養環境室)に入院させたときは、差額ベッド料は請求できない―。この厚生労働省の新通知を報じた「しんぶん赤旗」日曜版の特集「お役立ちトク報」(5月20日号)に、「記事を保管しておく」「日本中の方々が知っておくとよい情報」と大きな反響が寄せられています。


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(写真)厚労省新通知を報じた「赤旗」日曜版5月20日号

 新通知(3月5日、保医発0305第6号)は、厚生労働省が2018年度の診療報酬改定に伴って国や都道府県の関係機関に出したもの。差額ベッド料を求めてはならない場合として(1)同意書をとっていない(2)「治療上の必要」により入院させる(3)病棟管理の必要性など実質的に患者の選択によらない場合の3ケースをあげ、各ケースに該当する具体例を示しています。

 新通知は(3)の具体例として「特別療養環境室以外の病室の病床が満床であるため、特別療養環境室に入院させた患者の場合」を明記。「他の部屋が満室」という理由では請求できないことを初めて盛り込みました。

 厚労省は日曜版の取材に対し、「厚労省に送られてきた意見を踏まえて明確化した」と説明しています。

 差額ベッド料が発生する「特別療養環境室」は、良い環境を求める患者が自ら選んで入るというのが原則です。通知でも「患者の意に反して特別療養環境室に入院させられることのないようにしなければならない」としています。

 ところが、「差額ベッド料のかかる病室以外は空いていない」と言われて仕方なく同意書に署名し、高額な差額ベッド料を支払ったというケースがあとをたちません。

 日曜版は03年から差額ベッド料の厚労省通知について繰り返し報道し、相談先として各地の地方厚生(支)局も紹介してきました。こうした中で厚労省が新しい通知を出しました。

 担当記者は「差額ベッド料を請求されたが、紙面を病院に持って行って支払わずに済んだなどの実例を紹介しながら制度を知らせてきました。特集のたびに“初めて知った”という感想もたくさん来ます。今後も当事者に寄り添いながら、役立つ制度を伝えていきたい」と話しています。

差額ベッド料、知っておきたい3カ条

 (1)希望しないときは同意書へのサインを保留し、病院と話し合う

 (2)「大部屋がいっぱい」という理由では請求できない

 (3)個室などに入ってと言われたら「治療上必要か」とたずねる


 差額ベッド料 「特別療養環境室」に入院した際に徴収される保険のきかない部屋代。1部屋が4床以下、1人当たりの面積が6・4平方メートル以上で、病床のプライバシーを確保する設備がある―などの要件があります。


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