しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年5月15日(火)

きょうの潮流

 あったことをなかったことにする。知っていたことを知らなかったことにする。国の政治のトップに立つ人物がつくり上げる虚構の世界。それは大きな渦となって政権全体を巻き込む▼昨日の集中審議で改めて実感しました。象徴していたのが、共産党の宮本徹議員への答弁。獣医学部の新設をめざしていた京産大と内閣府との面談日はいつかと質問すると、梶山大臣は「日時まで具体的に特定することは困難」だと▼宮本議員は昨年、京産大との面談日を内閣府からメールで受けていました。それを平気で分からないと答える。京産大は日付も内容の記録もあるのに加計はない、安倍首相とかかわるものはすべて隠ぺいする、そう指摘されてはまずいと思ったのでしょう▼「森友学園の認可や国有地払い下げに私や妻が関係していたら、総理も国会議員も辞める」「(加計学園の獣医学部計画を)知ったのは2017年1月20日」。一連の“もりかけ疑惑”は、この二つの首相答弁に収れんされています▼何が出てきても首相の言葉と辻褄(つじつま)を合わせようとする。虚偽が上塗りされ、まん延していく。山口・公明代表のように「議論することがどんな国政上の意味があるのか」とかばう動きも、政権の虚勢を助長しています▼中野晃一さんは著書『私物化される国家』で、官邸への権力集中は癒着の形態も「お友だち」化しているといいます。それを利用して野望をかなえようとうごめく勢力。そんな政治を一掃するためには元凶を断つしかありません。


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