しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年4月25日(水)

きょうの潮流

 ベールに包まれてきた“悪魔の部隊”。その貴重な資料を国立公文書館が開示したと「満州第731部隊軍医将校の学位授与の検証を京大に求める会」が発表しました▼当時の軍医や技師、看護婦をはじめ役職や階級を含めた3607人の実名が記されています。敗戦から70年以上、部隊構成が初めて明らかになった第一級の資料です。戦後に京大の医学部長を務めた人物がかかわっていたことも。政府が公文書として保管していたことが歴史の闇の解明につながりました▼侵略戦争のさなか、中国やソ連の捕虜を「材料」「丸太」と呼んで人体実験をくり返していた旧日本軍の731部隊。元隊員の告白は衝撃でした▼ペスト菌に感染させたノミを試験管に入れて捕虜の腕に当てる。手袋や防護服を着て実験場のくいに縛りつけた捕虜に付いたノミを数える。ペストノミを入れた陶器製の爆弾を投下し効果を試す―。赤旗編集局編『戦争の真実 証言が示す改憲勢力の歴史偽造』(新日本出版社)で紹介されています▼日本の戦争指導部は、敗戦から連合軍駐留までのわずかな間に膨大な記録や資料を焼却、隠滅しました。戦犯追及を逃れるために。『戦争の真実』は、当事者しか知りえない加害と被害の証言を丹念に掘り起こしています▼今また安倍政権のもとで底なしにひろがる公文書の改ざん、隠ぺい、ねつ造。自分たちの悪事の記録を残したくない勢力による歴史の偽造。しかし真実を求める人々がいるかぎり、隠し通すことはできません。


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