しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年4月14日(土)

きょうの潮流

 大地がさけ、山はえぐられる。つぶれた家、土砂に埋もれた集落。城や神社が崩れ、線路や道路は寸断され、新幹線は脱線する。28時間のうちに2度も震度7の激震に襲われた熊本・大分の地震から2年がたちます▼ほとんどの住宅が被害を受けた益城(ましき)町では、まるで町全体が傾いているような感覚を。阿蘇を回ったときは爪痕の大きさに自然の猛威をまざまざと。取材のたびに被害のすさまじさを痛切に感じました▼広い範囲に及んだ被災地では復旧工事が進みますが、被災者の疲労の色は濃い。いまだに4万人近くが避難を強いられ、心身の不調による関連死や孤独死も増えています。生活再建の遅れは格差をもたらし、被災者を苦しめています▼熊本の地元紙の聞き取り調査によると、現在の生活に不満や不安があると答えた被災者は5割超。1年前とほぼ変わっていません。中身をみると健康や仕事で不満や不安を感じている人が急増しています▼災害列島、日本。いまも大分では山崩れにのまれた不明者の捜索がつづき、島根では震度5強の地震が起きました。突然日常が絶たれた人びとが各地で相次ぐ現状。それを支えて暮らしを立て直すとともに、今後の被害を防ぐ手だてを講じる。切に求められる行政の役割です▼今月2日、福島の地元紙やテレビ局が報じた県民世論調査の結果は政権に衝撃を与えました。内閣支持率がわずか2割半ばまで落ち込んだのです。心あらずで被災者に寄り添わない政治への怒りは、ここでもくっきりと。


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