しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年3月13日(火)

きょうの潮流

 「ことしは学校のことで、いろいろございました」。昨年11月。民間団体のシンポジウムでそう口にして会場の笑いを誘ったのは安倍首相夫人の昭恵氏でした▼森友学園への国有地払い下げ。それに関与した疑いから逃れたと思ったのか、軽口をたたく余裕さえみせました。しかし、ここにきて疑惑は一段と色濃く。改ざんされる前の財務省の決裁文書に名前がはっきりと記されていました▼当時、学園の籠池理事長との打ち合わせの際に「安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた」との発言があった。理事長と昭恵氏が現地で並んでいる写真も提示されたと▼財務省の調査では森友問題が国会で追及された去年の2月以降、14の文書で数十カ所にわたる書き換えがあったといいます。削られた部分から浮かび上がるのは8億円もの値引きをした異常な価格交渉や、昭恵氏をはじめとする政治の関与です▼麻生財務相は一部の役人に責任を押し付けて幕を引こうとしていますが、ことは一国の首相にかかわります。教育勅語を園児に唱和させる学園の教育を夫妻そろってたたえ、昭恵氏は問題の新設予定小学校の名誉校長にも▼なぜ公文書を偽造したのか。だれが指示したのか。法を犯してまで何を守ろうとしたのか。この問題では学園との交渉を担当した近畿財務局の職員が、みずから命を絶っています。国民を欺きつづけ、人を壊していく―。その罪のなんと重きことよ。


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