しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年2月25日(日)

きょうの潮流

 1億3000万ドル(約140億円)。ハワイで米軍が行った新型ミサイルの迎撃実験(1月31日)にかかった経費です。米軍準機関紙「星条旗」が伝えました(2月17日付電子版)。これだけ巨費を投じても実験は失敗でした▼日米共同開発した「ミサイル防衛」用迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」で、別のミサイルを撃ち落とす実験。同紙によると、経費のうち新型ミサイルが3600万ドル(約39億円)、標的ミサイルが4000万ドル(約43億円)だそうです▼政府はこの新型ミサイルの導入を急いでいます。高額な上に当たらない。無駄の典型です。こうした高額兵器調達の口実にされているのが北朝鮮問題です。文在寅(ムン ジェイン)韓国大統領との会談でも、平昌冬季五輪後の米韓演習再開を迫った安倍首相。軍事圧力に頼る姿勢は際立っています▼「わが国はもはや圧力一辺倒ではだめだ」。航空自衛隊を空将補で退官した元情報幹部が著書で警鐘を鳴らしています(鈴木衛士著『北朝鮮は「悪」じゃない』幻冬舎刊)▼圧力ばかりだと、追い詰められた北朝鮮が中東の第三国と手を結び、核兵器が流出する危険がある。そうなると「米国は、たとえ自国および同盟国に多少の血が流れようとも、躊躇(ちゅうちょ)せずに北朝鮮の現政権を力ずくで葬り去るという決断を下す」▼戦争回避のために日本はどうすべきか。「米朝交渉の仲介を担うということを考えるべき」。元幹部自衛官からもあがる対話の提案。それでも背を向け続ける首相の姿勢は危険すぎます。


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