しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年2月16日(金)

きょうの潮流

 自分自身と対話を重ねて、前回の悪夢を克服したジャンプの高梨沙羅さん。ライバルの強豪国に学び、築き上げてきたフォームを土台からつくり直したスピードスケートの小平奈緒さん▼オリンピックは、それぞれの競技人生を大きく変えるほどの影響をもたらします。苦い経験を生かす選手もいれば、初の大舞台で力を十二分に発揮する選手も。男子モーグルで表彰台に立った20歳の原大智選手は「滑るのが楽しくて楽しくて仕方がなかった」▼長野五輪金メダリストの清水宏保さんが前にこんなことを話していました。4年に一度の試合にピークをあわせ、どんな条件でも勝てる選手こそ真のチャンピオン。一方で五輪の勝利には時の運が必要という選手も多い▼いずれにしても長い時間を積み重ねてきた努力が分や秒の単位で決してしまう無情さ。うれし涙もあれば、悔し涙もある厳しい世界だけに、少しでも良い条件のもとで選手には競技に臨んでもらいたい▼平昌五輪で、夜遅くや午前中の競技開催が批判されています。フィギュアスケートやジャンプなど欧米の人気競技をあちらの放映時間にあわせていると。強風の中を決行し、転倒が相次いだスノーボードの競技では現場から中止を求める声がでていました▼今や五輪の重要な収入源になっているテレビの放映権料。そのために選手が力を出し切れないとすれば本末転倒です。商業主義がひろがるなかでアスリートファーストをどこまで貫けるか。それは東京五輪でも問われています。


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