しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年2月9日(金)

きょうの潮流

 今から50年前の1968年2月、米南部テネシー州メンフィスで清掃労働者がストライキに立ち上がりました。黒人労働者2人がごみ収集トラックに押しつぶされて死亡したことが発端です▼人種差別反対、生活できる賃金、労組結成の権利を求めた労働者たち。掲げたスローガンは「私は人間だ」です。州兵や警察の暴力的弾圧にもかかわらず2カ月間ストを継続。人間としての尊厳を否定する低賃金や劣悪な労働環境を告発し、賃上げと労組承認を勝ち取りました▼スト開始日からちょうど50年にあたる今月12日、メンフィスで再び労働者がストに立ち上がります。最低賃金を時給15ドルに引き上げるよう求めるファストフード労働者たちです。各地で呼応した催しが予定されています▼連邦政府が定める最低賃金は時給7・25ドル。家族を養うため二つも三つも仕事を掛け持ちせざるをえない人がいます。一方で大企業の最高経営責任者の中には一般労働者の賃金の1000倍もの報酬を得る人も。大企業・富裕層を優遇するトランプ政権のもとで格差はさらに広がる危険があります▼2012年にニューヨークから始まった時給15ドルを求める運動は全米に拡大。州や自治体単位では引き上げを実現し、いまや大手メディアも無視できない運動に成長しました▼今回も再び「私は人間だ」がスローガンです。「人間の尊厳を求めて危険を顧みずにたたかった勇敢な労働者に続きたい」とスト参加予定者。50年前のたたかいが今に受け継がれています。


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