しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年2月6日(火)

きょうの潮流

 「一杯のかけそば」が話題になったのは日本中がバブルに沸いていた頃でした。大みそかの夜、そば屋にやってきた母子3人が一杯のかけそばを分け合う。次の年も、その次の年も…▼当時、実話といわれた物語は映画化までされる社会現象に。その後、作り話だとの指摘もありましたが、飽食の時代に警鐘を鳴らすとともに貧しさや社会的弱者に目を向けるきっかけになりました▼いま貧困問題が注目されるたびに生活保護バッシングや自己責任論の攻撃がくり返されます。国民の生存権を保障する安全網であるはずの制度。そのあり方は、すべての国民の権利にかかわります▼ギリシャ語で奴隷や犯罪者の体にしるされた刻印をさす「スティグマ」。個人に不名誉や屈辱をもたらすものとして使われてきました。「スティグマといわれる“生活保護は恥”だという意識や生活保護バッシングをなくしていくことは大変重要」▼生活保護の基準を引き下げようとする政府に対し、共産党の志位委員長が迫りました。安倍政権のもとで悪化する貧困の実態。食費や光熱費を切り詰め、息をひそめ、薄氷の上を歩いているような生活。憲法に記された健康で文化的な生活をどう保障していくか、と▼国民の正当な権利である生活保護を、誰もが安心して利用できる制度に。「今度はどこを削って生活しよう。もう限界です。どうか親子ともに自立しようと思う気持ちを折らないでください」。2人の子どもを育てるシングルマザーの訴えが重く響きます。


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