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2017年12月19日(火)

きょうの潮流

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 個人の尊厳と社会正義、平和を求める市民と野党の共闘の時代。その発展を目指して、対話とは何かを考える機会が増えました▼まず思い出すのは、作家の小野正嗣(まさつぐ)さんの言葉です。「文学を理解するためには、その世界の中に入らねばならず、自分の一部を譲り渡して他者を受け入れることが必要で、つまり自分が変わるということだ」と。「文学」を「相手」と置き換えれば、対話の本質が見えてきます▼『不寛容の本質』を著した社会学者の西田亮介さんは、社会通念や先入観によって人がいかに事実を見誤っているかを指摘し、相手を理解しているつもりが実は自分の枠にはめこんだだけである危険性にも言及しました。肝要なのは「現実を直視すること」と訴えます▼本紙に連載小説を執筆中の山崎ナオコーラさんは「分かり合える相手としか通じ合わない世界は息苦しい。理解できなくても、ただ一緒にいて、話ができる、聞いてもらえる、そんな空気が広がれば、世界も風通しがよくなるのではないか」と語っています▼「言葉は、半分は話す人のものであり、半分は聞く人のものである」とは、フランスの哲学者・モンテーニュの言葉。互いの言葉を傾聴し、自分と他者がまじり合うことで対話は成立し、人と人はつながるのでしょう▼街で学園で職場で、新しく人と出会い、言葉を交わせば、発見が満ちています。異なる立場から世界を見ることは私たちの認識を深め、同時に差異を超えて共感する喜びもあるのではないでしょうか。


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