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2017年11月24日(金)

中日本元社長ら書類送検へ

笹子トンネル事故 山梨県警が遺族に報告

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 9人が死亡、2人が負傷した中央自動車道笹子トンネル事故で22日、山梨県警が中日本高速道路の金子剛一社長(当時)はじめ同社と子会社の役員計4人と、現場の保守点検責任者数人を、業務上過失致死傷容疑で今月中に書類送検することがわかりました。

 同日夜、山梨県警の担当者が2013年に役員4人を告訴した事故の遺族への捜査報告で明らかにしました。

 県警の説明を受けた犠牲者の青年5人の両親ら10人は「この送検と今後の刑事裁判の中で、民事事件では明らかにならなかった事情と事故の原因が明らかにされることを切に願っています」とする声明を発表しました。

 また声明は「子どもたち5名の命を奪ったのは、利益第一主義をとり、十分な保守点検計画を立てさせなかった当時の経営者トップに責任があると考えています」と指摘。遺族らが一貫して訴える原因究明、責任追及、再発防止の3点を改めて強調しています。

 遺族らは同日夜、会見をひらきました。上田達(わたる)さん=当時(27)=の父、聡(さとし)さん(65)は「ここまで5年かかった。でも、やっとここまで来た。なぜ、書類送検が必要だったか。民事裁判で知り得なかったことを、刑事裁判で知りたいからだ」とのべました。

 山梨県警に告訴されていたのは中日本の金子社長(いずれも当時)と点検・保全部門のトップだった吉川良一専務と、中日本ハイウェイエンジニアリング東京の社長・副社長ら2社の役員計4人。

 笹子トンネル事故 2012年12月2日午前8時ころに中央自動車道上り線の笹子トンネル(山梨県甲州市と大月市)で天井板が約140メートルにわたって崩落し、9人死亡、2人が負傷。青年5人の遺族は13年5月に損害賠償訴訟を起こし、中日本高速道路など2社に4億4300万円の賠償を命じる判決を出しました。14年2月に、役員4人に対する損害賠償訴訟を起こしましたが、最高裁は今年5月に遺族らの訴えを棄却しました。


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