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2017年10月30日(月)

きょうの潮流

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 緑のお椀(わん)を地面に伏せたような塚。古くから知る人たちは、ここを「土饅頭(どまんじゅう)」と呼びます。広島の平和記念公園の片隅で木々に囲まれ、ひっそりとたたずむ原爆供養塔です▼今も身元がわからない7万人もの遺骨が納められています。この場所に40年間も通い続け、守り人といわれた佐伯(さいき)敏子さんが今月97歳で亡くなりました。塚を清掃し、遺骨の引き取り手を捜し、訪れた人びとには自身の被爆体験を伝えました▼広島の墓標と佐伯さんとのかかわりは、ジャーナリストの堀川惠子さんが著した『原爆供養塔』に詳しい。そのなかで佐伯さんは、あの日殺された死者の無念の叫びに耳を傾け、歩み続けなければならないとくり返しています▼まるで核保有国のようだ―。日本政府が国連に提出した核廃絶決議への不支持や批判が相次ぎました。人類が初めて国際法で核兵器を禁じた条約には触れない、核兵器の非人道性も弱めている。本気で核廃絶をめざす国ぐには「嘆かわしい後退」だと▼ノーベル平和賞を受賞したICANの国際運営委員、川崎哲さんも日本政府の姿勢に厳しい目を向けています。「橋渡しどころか分断を拡大させている。核兵器廃絶に水を差すものだ」▼国によって無謀な戦争に巻き込まれ、地獄に突き落とされた被爆者。死者への思いを抱えながら、高齢になった今も核なき世界の実現に懸命にとりくんでいます。それを唯一の戦争被爆国が裏切る。広島出身の堀川さんが代弁しています。「怒りがふつふつとわいてくる」


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