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2017年9月10日(日)

きょうの潮流

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 だれもが時間の問題と思ったはずです。1998年のアジア大会男子100メートルで伊東浩司選手が10秒00を記録したときです。日本の短距離走者が夢見た9秒台が現実味を帯びた瞬間でした▼身体的な特徴や筋肉の質の違いから日本選手が破ることは難しいとされてきた10秒の壁。しかし、日本人の体に合った筋トレを追求し、走法を工夫した伊東選手の快挙に期待はふくらみました▼それから19年。待ちに待った歴史の扉がついに開きました。桐生祥秀(よしひで)選手が国内の大会で9秒98の日本新記録を樹立。これまで何度も接近してきた21歳は「やっと、更新することができた。9秒台を出せて世界のスタートラインに立てた」と喜びを爆発させました▼外国人選手と比べて小柄ですが、上体がぶれない力強い高速ピッチ。足をあまり高く上げずに腰を使った走りは日本人に適している、と専門家はいいます。そのために短い距離を全速力で何回も走り、体幹を鍛えてきました▼高校3年のときに10秒01を出してから自身との格闘が続きました。最近は他の選手の台頭が目立ち、今年の日本選手権は4位と低迷。世界選手権の100メートル代表も逃しました。その苦しさや悔しさもバネに変えてきたのでしょう▼人類が初めて10秒の壁を突破してから遅れること約半世紀。今や世界のトップスプリンターたちは9秒台の前半を視野に入れています。桐生選手をはじめ、層が厚くなってきた日本の短距離陣。最速をめざす競走が新たな可能性を切り開いていきます。


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