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2017年8月25日(金)

主張

米軍、厚木使用表明

空母艦戴機「移駐」はごまかし

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 米海軍厚木基地(神奈川県大和市、綾瀬市、海老名市)の空母艦載機部隊を米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)に移駐する計画をめぐり、在日米海軍司令部が報道発表で、艦載機部隊は移駐後も厚木基地を「折に触れ使用する」ことを明らかにしました。日本政府は岩国移駐を厚木基地周辺の「騒音解消」のためと繰り返してきました。これがごまかしだったことを示す重大な表明です。空母艦載機部隊は事実上、岩国と厚木の二つの基地を使えることになり、深刻な爆音被害や墜落など事故の危険を一層拡大するのは必至です。

岩国基地は異常な大増強

 厚木基地に駐留してきたのは、米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)を母港にする原子力空母(現在はロナルド・レーガン)の艦載機部隊(第5空母航空団)です。岩国基地への移駐計画は、在日米軍の海外侵攻=“殴り込み”態勢強化を狙った日米両政府の在日米軍再編合意(2006年5月)の一環です。移駐予定の艦載機は61機に上り、岩国基地は既存の海兵隊機と合わせ、120機を超える東アジア最大規模の航空基地になります。住民の命と暮らしを脅かす基地の異常な大増強計画です。

 艦載機の移駐は既に始まっており、今月9日には最新の早期警戒機5機が岩国基地に到着しました。18日には在日米海軍司令部が、ロナルド・レーガンの秋の航海任務完了後、二つの戦闘攻撃機部隊と一つの電子戦機部隊を岩国に移駐すると報道発表しました。

 日本政府は、電子戦機部隊の移駐は来年1月ごろと説明していましたが、それよりも早まることになります。

 在日米海軍司令部の報道発表で見過ごせないのは、岩国移駐後も「厚木航空施設は引き続き日米同盟にとって重要な基地」だと位置づけ、「第5空母航空団の航空機は、迂回(うかい)飛行場として、また訓練や給油、整備などのため、折に触れ厚木航空施設を使用する」としていることです。昨年5月、在日米海軍の幹部が、岩国移駐後も空母艦載機は訓練や給油などのために厚木基地に飛来すると発言していたことを正式に裏付けるものです。

 在日米海軍司令部は地元紙の取材に、厚木基地への飛来理由は「枚挙にいとまがない」と答えています(神奈川新聞19日付)。空母艦載機は岩国移駐後も、厚木基地を自由勝手に使用し、爆音被害をまき散らすのは間違いありません。

 日本政府はこれまで「厚木飛行場から岩国飛行場へ移駐される空母艦載機の訓練については、原則として厚木飛行場およびその周辺訓練空域で行われることはないと承知している」(昨年5月19日、参院外交防衛委員会、中谷元・防衛相=当時)としてきました。在日米海軍司令部の報道発表は、そうした日本政府の説明が成り立たないことを浮き彫りにしています。

「基地国家」からの脱却を

 在日米海軍司令部の報道発表が第5空母航空団を「米海軍で唯一の前方展開空母打撃群」の「重要な構成部隊」だと指摘しているように、世界で唯一、海外配備されている空母艦載機部隊です。これまで横須賀の空母とともに、イラク侵略戦争など無法な戦争へ出撃を繰り返してきました。世界で例のない空母打撃群の出撃拠点という「米軍基地国家」からの脱却が切実に求められています。


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