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2017年8月10日(木)

韓国・政府寄り人事に反発し解雇 3記者が復職へ

「公正な報道を」運動実る

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 韓国のニュース専門テレビ局YTNは8日、2008年に解雇した3人の記者を今月28日に復職させる方針だと発表しました。現地からの報道によると、労使は6月から本格的な交渉を行い、2日に妥結。公正な報道を求めてたたかってきた3人は、9年ぶりの職場復帰を勝ち取りました。

 (栗原千鶴)


 YTNは国営電力会社子会社が大株主のテレビ局です。2008年5月、当時の李明博(イ・ミョンバク)政権下で、政府の意向を色濃く反映した社長人事が押し付けられたとして、全国言論労組YTN支部は強く反発。公正な報道の原則や政治的中立性を守ろうと社長人事に反対するたたかいを展開しました。

 会社側は同年10月、労組幹部だった記者6人を解雇。別の記者も停職処分とするなど、33人の記者を懲戒にしました。1987年の民主化以降、初めてのジャーナリストの大量解雇・懲戒事件といわれました。

 解雇された6人は法廷闘争を展開。一審は全員を不当解雇としましたが、二審は3人を解雇無効とする一方、3人は正当だったと判断、最高裁もそれを支持しました。

 YTNは、この解雇事件以降、公平性が保たれていないと視聴者からも批判を受け、視聴率も低迷。社内からも、信頼回復や円滑な運営のためにもこの問題を放置できないとの声が上がっていました。

 復職が決まった元労組委員長のノ・ジョンミョン氏は「市民と社内でたたかってくれた同僚、どちらが欠けても復職はなかった。YTNを立て直すことで報いる」と地元紙に喜びを語りました。

 労組側は4日、声明を発表しました。声明では、メディアの役割を投げ捨て、「権力に寄り掛かった責任を問うことが正常化する道だ」と強調。「(会社側は労組のたたかいを)懲戒や訴訟などを悪用し、弾圧した。今回の合意でその責任を認め、復職に合意することにより、われわれの闘争の正当性を認めた」と述べています。

 文在寅(ムン・ジェイン)政権で、新しく放送通信委員長に就任した李孝成(イ・ヒョソン)氏は1日のあいさつで「国と権力の不正を告発し是正を問うべき公共放送が、その社会的責任を果たせずにいる」として、公共放送の改革を進める考えを示しました。

 現在、公共放送のKBSや公共放送の性格を持つ民放のMBCでは、労組との間で2012年のストライキに関連した訴訟が起きており、今回の和解がこれらの判決に影響する可能性もあります。


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