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2017年7月14日(金)

きょうの潮流

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 パン屋の焼き窯から出た火は東風を受けてたちまち市街をのみ込み、4日4晩燃え続きました。焼け落ちた家屋は1万戸以上。1666年9月のロンドン大火です▼英国の官僚で後に海軍大臣を務めたサミュエル・ピープスがその時の恐怖を日記に書き留めています。「性悪な、血の色のような炎が荒れ狂っている。ふつうの火のきれいな炎とは、似ても似つかぬものなのだ」「見ていても涙が出た」(臼田昭訳)▼ピープスが目にした炎はこんな色だったのでしょうか。ロンドン西部の高層住宅で起きた火災です。今日で発生から1カ月。赤黒い炎が24階建ての建物を瞬く間に包み込む様子は世界を驚かせました。炎と煙のなかで逃げ場を失い、命を落とした人々は、少なくとも80人以上と見られています▼被害を広げた要因の一つとして、外壁に可燃性断熱材が使われていたことが指摘されています。欧州各国では高層住宅に可燃性断熱材を使うことは禁止されてきました。ところが英国では政府の規制緩和策で放置されてきました▼「企業による殺人ではないか」。英労働党の議員はこう糾弾しています。欧米メディアによると、不燃性素材だとコストがかかると企業が規制に反発していました▼今では当たり前の火災保険はロンドン大火を契機に始まったといわれます。建物は保険金で再建できても、失われた生命は決して戻りません。今回の火災の調査は始まったばかり。悲劇を繰り返さないためには真犯人を見つけ出すことが欠かせません。


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