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2017年6月5日(月)

きょうの潮流

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 あのパブロ・ピカソの傑作「ゲルニカ」が完成したのは80年前の今ごろでした。スペイン内戦中、フランコ反乱軍を援助したナチスドイツが小都市ゲルニカを爆撃。憤怒したピカソが一気に描き上げました▼死んだ子を抱いて泣き叫ぶ女、いななく馬、折れた剣を手に倒れる兵士…。縦350センチ、横780センチの巨大カンバスに白と黒の濃淡で描かれた阿鼻(あび)叫喚。そこには戦争やファシズムへの怒り、反戦平和の思いが込められています▼ゲルニカ爆撃は焼夷(しょうい)弾が本格的に使われた史上初の無差別爆撃といわれます。相手の戦意をそぐための戦略的な空爆の先駆けともされていますが、その1年後には日本軍も中国・重慶への無差別爆撃を開始しました▼こちらは1938年から44年までの7年間に200回以上もくり返され、死傷者は数万とも。きょう6月5日は千人の住民が防空壕で窒息死や圧死したという41年の「六・五隧道大惨案」として記憶されています▼日本の重慶無差別爆撃はやがて米軍による東京大空襲や広島・長崎の原爆投下へとつながっていきます。軍事ジャーナリストの前田哲男さんは“空からの皆殺しの発想”は今も生き続けていると▼当時のピカソと現代を絡めた話題作『暗幕のゲルニカ』。著者の原田マハさんは本紙日曜版で語っています。人類の愚かさを痛烈に批判する一方でピカソは世の中が変わってほしいという願いを作品に込めた。この不穏な世にあって、もう一度「ゲルニカ」の意味を見つめ直してもらいたい。


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