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2017年5月24日(水)

きょうの潮流

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 ドイツサッカーで活躍する香川真司選手はその日、日常の流れの中にいました。音楽を聴きながら試合に向かうバスの定位置に。すると、動き始めて間もなく大きな音が響きました▼逃げろ、早くバスを出せ。車内は混乱し、香川選手も銃撃を受けたと。ドルトムントのチームバスを狙った先月の爆破事件です。その時の心境を彼はブログにつづっています。戦争やテロは遠いイメージがあったが、身近に危険があることを実感した―▼欧州で相次ぐテロ。今度は香川選手が前にいた英マンチェスターでテロとみられる爆発が起きました。若者に人気のアリアナ・グランデさんのコンサート会場が標的に。多数の観客が死傷し、泣き叫ぶ姿はまるで戦場のようだったと▼同じ日、日本では共謀罪法案が野党や市民の反対を押し切って衆院で可決されました。テロ等準備罪と名を変えても対策の中身はまったくないのに▼〈テロ等のテロは疑似餌で等が鈎(かぎ)〉。本紙の川柳にあったように、治安を良くするどころか、市民を圧迫して物言えぬ監視社会をつくりだす法案。刑法学者の高山佳奈子さんは、テロを防ぐには安保法制を廃止して、米国と一緒に海外で戦争する国づくりをやめることが最も効果的だといいます▼テロの背後に横たわる格差や貧困、抑圧や差別。それは力では解決できない課題です。「恐怖や争いのない世の中になってほしい」と切望する香川選手。世界中の人びとが願う根絶への思いは、こんな弾圧法を強行することではありません。


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