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2017年5月21日(日)

きょうの潮流

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 潮風をまといながら電車が走りつづけます。民家の軒下や田畑、新緑のトンネルを抜けて。関東最東端に位置する町とともに歩んできた、銚子電鉄です▼路線の全長はわずか6・4キロ。JRが接する銚子駅から終点の外川(とかわ)まで20分足らずで走る、のんびりとしたローカル鉄道です。これまで何度も廃線の危機にひんしながら、地元をはじめ、多くの人の手によってレールをつないできました▼前身の銚子鉄道が設立したのは1922年、日本共産党の創立と同じ年。江戸の頃から漁業や醤油(しょうゆ)の生産地として発展してきた銚子の町に暮らす人びとのための鉄道をつくろうと。当初は魚や石材も運ぶ貴重な輸送手段でした▼戦後、自動車の普及や産業の変化によって経営は悪化していきます。親会社の倒産や社長の横領、10年ほど前には車両の点検費用さえ払えない状況に。しかしその都度、住民と支援者が結束して廃止反対に立ち上がり、ぬれ煎餅の購入を全国に呼びかけるなど逆境を乗り越えてきました▼95周年の今年は電車と支える人が織りなす映画「トモシビ 銚子電鉄6・4kmの軌跡」がつくられ、昨日から公開されています。各世代の思いを乗せたローカル線への応援歌です▼実際、車両には孫の手を引く祖父の姿や「10年後も、100年後も、がんばってみんなを運んであげてください」という小学生らのメッセージが飾ってありました。一極集中で地方がさびれていくなかで、まちの再生とともに鉄道のもつ意味も浮かび上がってきます。


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