「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2017年5月12日(金)

嘉手納で夜間降下訓練

町長 「強行断じて許せない」

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

写真

(写真)夜間にパラシュートで降下する米兵(右)=10日夜、米軍嘉手納基地

 米軍は10日夜、米空軍嘉手納基地でパラシュート降下訓練を実施しました。同基地では先月24日にも同訓練が行われています。

 この日は午後7時10分に特殊作戦機が嘉手納基地を離陸。同30分に再び基地上空に現れ、同機から3人の米兵が青色のランプを点滅させながらパラシュートで降下しました。その後も同じことを2回繰り返し、全部で15人前後の米兵が降下しました。うち2人ほどが風にあおられ、目的地点から南に大きく外れて降下しました。

 訓練を役場上空で確認した嘉手納町の當山宏町長は「降下は高高度から行われ、風でパラシュートがかなり流された。住宅地に万が一のことがあると大変だ」と語りました。

 1996年の日米特別行動委員会(SACO)合意でパラシュート降下訓練を伊江島で行うことが決められていることにも触れ、「米軍が4月に嘉手納基地で行った際『例外だ』といったが、再び行った。嘉手納での訓練が恒常化し、米軍がこの基地を自由に、際限なく使用することが広がることを懸念している」「再三反対の意思を示しているのに強行したことは断じて許せない。防衛局はもちろん米軍にも嘉手納基地での訓練中止を求めていく」と語りました。

県が抗議

 沖縄県の富川盛武副知事は11日、沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長を県庁に呼び、米軍が嘉手納基地で10日に実施した夜間パラシュート降下訓練に抗議しました。

 富川副知事は、「県、県議会、地元自治体などが行った中止要請や抗議を無視する形で、しかも夜間、強行されたことに強い憤りを禁じ得ない」と抗議しました。

嘉手納町議会は抗議決議

 米空軍嘉手納基地で10日にパラシュート降下訓練が行われた問題で、嘉手納町議会は11日、抗議する意見書と決議を全会一致で可決しました。意見書・決議ともに同基地での降下訓練の全面禁止、降下訓練は伊江島で行う取り決めとなっている1996年の日米特別行動委員会(SACO)合意を順守するよう求めました。

 意見書・決議は、SACO合意が守られず、嘉手納基地が使用されていることについて「訓練が常態化することは基地負担の増大にほかならない」としています。

 日本共産党の田仲康栄町議は「関係自治体・議会の中止要求を無視することは、住民の生命・安全より米軍の運用を優先するものであり許されない」と賛成討論をしました。

 本会議終了後、徳里直樹議長らは沖縄防衛局に出向き、中嶋浩一郎局長に決議文を手渡しました。

 中嶋氏は、無通告訓練だったことを報告。徳里議長は「降下訓練は絶対に容認できない。特に“連絡なし”ということは問題。政府も日本国としてしっかり米軍と交渉すべきだ」と求めました。

 また、同議会は、F16戦闘機の嘉手納基地への暫定配備に反対する意見書と決議を全会一致で可決しました。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって