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2017年5月5日(金)

主張

安倍氏「改憲」明言

9条破壊の暴走加速許されぬ

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 安倍晋三首相(自民党総裁)が施行70年の憲法記念日に、「2020年を、新しい憲法が施行される年にしたい」と明言し、自衛隊の存在を9条に書き込むことなどを表明したビデオメッセージを改憲派の会合に寄せました。安倍首相は自民党内きっての右翼・タカ派ですが、改憲の具体的な目標時期に踏み込んだのは初めてであり、9条を標的にすると口にしたことは重大です。憲法施行の記念日に、改憲への執念をあらわにし、期限を区切って改憲をあおる姿勢はあまりに異常です。首相の暴走を許さない世論を広げることが急務です。

異常な執念、進まぬ焦り

 「憲法はたった一字も変わることなく、施行70年の節目を迎えるに至りました」「(国会の)憲法審査会における『具体的な議論』をリードし、その歴史的使命を果たしてまいりたい」「憲法改正に向けて、共に頑張りましょう」―。改憲派の会合で紹介された首相のビデオメッセージは、現行憲法をとにかく変えたいという異様な執念と高揚感に満ちたものでした。

 安倍首相は今年初めから、憲法施行70年を引き合いに「新たな国づくりを本格的に始動」(年頭所感)、「次なる70年」(1月の国会での施政方針演説)と改憲意欲をにじませ、自民党の総裁任期を3期9年に延長した3月の党大会では、首相の肝いりで「憲法改正原案の発議に向けて具体的な歩みを進める」という表現を運動方針に明記させました。それでも改憲実施の時期や、具体的な内容については、国民の批判の高まりを恐れて、首相自身が進んで明らかにすることは避けてきました。

 首相が今回、「新憲法」施行を20年にしたいと前のめりの発言をし、自衛隊の9条明記などを具体的に提起したのは、改憲議論を加速させる狙いであることは明白です。それは国会の憲法審査会の議論が進展しないことへの焦りといらだちの裏返しでもあります。

 首相が改憲項目の冒頭に9条をあげ、自衛隊を憲法上位置付けると表明したことは、改憲の「本丸」が9条にある本音を示すものです。自衛隊を9条に書き込むことは、「戦争放棄」の1項や「戦力不保持」の2項と矛盾するもので、従来の「歯止め」をなくし、海外での武力行使を文字通り無制限にすることにつながるものです。発足以来、海外で一人も殺さず、一人も殺されることのなかった自衛隊の性格を、根本から変える重大な改悪にほかなりません。

 だいたい9条の改憲は、国民世論が望んでいません。最近のメディアの世論調査でも9条を評価し、その改定に反対する声は多数です。それでも9条の改憲を力ずくで行おうとするのか―。民意無視の暴走は絶対に通用しません。

五輪持ち出す筋違い

 首相の「改憲加速」表明の場が、改憲派会合や、改憲をあおる「読売」インタビュー(3日付)という“内輪”なのは、改憲を国民に正面から語れない矛盾の表れです。20年という改憲目標で、東京五輪開催を持ち出すことは、全く筋違いであり、改憲に何の大義もないことを浮き彫りにしています。

 5万5千人が参加した3日の東京の集会をはじめ全国津々浦々で、憲法を守り生かそうと国民の熱い思いは示されています。“安倍壊憲”阻止の声をさらに強く大きくしていこうではありませんか。


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