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2017年5月1日(月)

きょうの潮流

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 それはパッペット・ショー(人形劇)に過ぎない―。戦前、空襲を想定して行った陸軍の大規模な訓練をこう断じたのは桐生悠々でした。当時主筆だった信濃毎日新聞に載った「関東防空大演習を嗤(わら)う」です▼桐生は「架空的なる演習」の滑稽さを指摘しながら、空襲されれば「敗北そのもの」だと論じました。いかに訓練しても冷静沈着になれと言い聞かせても、爆弾が落ちれば「阿鼻(あび)叫喚の一大修羅場」になると▼いま日本政府は、北朝鮮のミサイルに備えた住民の避難訓練を全国に呼びかけています。都道府県の担当者を集め、秋田ではすでに実施。他国からの攻撃を想定した住民訓練は戦後初でしょう。マスメディアも盛んにあおっています▼内閣官房のホームページには「ミサイル落下時の行動について」が掲載されています。できるだけ頑丈な建物や地下街に避難する、物陰に身を隠す、窓から離れる…。これで国民の安全をはかれると本気で思っているのか▼安倍政権は強行した戦争法に基づき、米軍の艦船を守るよう自衛隊に命令を出しました。危機を口にする一方で閣僚たちは大型連休中、相次いで外遊に。この落差。北の脅威を別の思惑に利用しようとする狙いが透けて見えます▼桐生は「こうした実戦が、将来決してあってはならない」「あらしめてはならない」ことを訴えました。その正しさは後の歴史が証明しています。いますべきは、ミサイルを撃たせないために外交努力を尽くすこと。それこそが人類の進歩でしょう。


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