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2017年4月9日(日)

きょうの潮流

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 トランプ米大統領と習近平・中国国家主席の初の首脳会談は、「相互尊重に基づいて意見の違いに対処しながら、協力分野を拡大するためにともに努力する」ことで合意しました▼米国第一主義を掲げるトランプ政権が発足してから、東アジアで米中間の対立が激化するとの懸念が強まっていたことを考えれば、ひとまずは前向きな結果と言えそうです▼習氏は米中関係について、「『ツキュディデスのわな』を自らつくらない」と語ったことがあります。既存大国と新興大国の対立が戦争に至るのが、古代ギリシャのペロポネソス戦争に由来する「ツキュディデスのわな」▼米ハーバード大のアリソン教授によれば、過去500年の間に既存大国と新興大国の対立激化は16回あり、そのうち戦争に至ったのが12回。戦争に至らなくても、米中の対立激化は東アジアの平和に深刻な危機をもたらします▼米中関係への懸念は、東南アジア諸国連合(ASEAN)の役割を浮き彫りにしています。シンガポールの元外交官で東南アジアを代表する知識人の一人、キショール・マブバニ氏は近著で、「ASEANは諸大国が東アジアに関与するための貴重な地政学上の舞台を提供してきた」と強調します▼南シナ海、北朝鮮、尖閣諸島―米中が対処すべき課題は、日本の平和と繁栄にも直結する問題。マブバニ氏は「ASEAN結成から50年たっても、北東アジア各国は同じような地域の枠組みをつくれない」と苦言を呈します。米国追随外交からの脱却が急務です。


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