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2017年3月15日(水)

主張

ACSA審議入り

戦争法促進の協定許されない

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 安保法制=戦争法に基づく自衛隊による世界規模での米軍支援をいつでも可能にする新たな日米物品役務相互提供協定(日米ACSA(アクサ))の承認案が、衆院で審議入りしました。安倍晋三政権は、日米ACSAと同時に審議入りした日豪、日英ACSAと合わせ、3協定の今国会での承認を狙っています。戦争法は、米国の海外での戦争で、自衛隊が従来活動を禁止されていた「戦闘地域」でも、米軍や他国軍に弾薬の補給や武器の輸送などの兵站(へいたん)を実施することを定めました。違憲の戦争法を反映したのがこれらの協定であり、国会での承認は決して許されません。

「戦闘地域」で兵站可能

 日米ACSAは、自衛隊と米軍の間の物品・役務(サービス)の提供を「円滑かつ迅速」(岸田文雄外相)に行うため決済手続きなどの枠組みを取り決める協定です。

 1996年に締結された日米ACSAは当初、日米共同訓練や国連平和維持活動(PKO)などに対象が限られていました。その後2回の改定と、昨年9月に日米両政府が署名した今回の新協定によって、平時から、戦争法に基づく集団的自衛権の行使時まであらゆる場面で適用可能になりました。今年1月に署名された日豪ACSA、日英ACSAも、新たな日米ACSAとほぼ同じ内容です。

 重大なのは、これらの協定が、戦争法の一環である「重要影響事態法」や「国際平和支援法」に基づく自衛隊による米軍をはじめ豪州軍や英国軍に対する兵站にも適用されることです。

 米国によるアフガニスタン報復戦争やイラク侵略戦争で米軍や他国軍を支援するため、当時の日本政府が自衛隊を派兵した際には、活動地域は「非戦闘地域」に限るという「歯止め」を設けていました。政府は、自衛隊の活動が憲法9条に違反する「他国の武力行使との一体化」を避けるためだと説明してきました。

 ところが、「重要影響事態法」と「国際平和支援法」は、「非戦闘地域」という「歯止め」を外し、実際に戦闘が起こっている「戦闘現場」以外なら、戦闘がいつ起こってもおかしくない「戦闘地域」でも、自衛隊が兵站を実施できることを定めました。政府が従来禁止していた弾薬の提供や、爆撃などのため戦闘作戦に向かおうとしている航空機への給油や整備も可能にしました。武力行使との一体化、違憲性は誰の目にも明らかです。

 今回のACSA承認案は「米国の無法な戦争を同盟国が支援する態勢を一層強化するもの」(日本共産党の本村伸子議員、14日の衆院本会議)に他なりません。

対IS軍事作戦も支援

 米国のトランプ大統領は2月末の議会演説で「過激組織ISを地球上から抹殺する」とし、シリアへの米軍を増派しようとしています。同時に、日本など同盟国に対し「戦略上・軍事上の作戦で直接の意味のある役割」を求めました。それに先立つ安倍首相とトランプ大統領の首脳会談(同月10日)でも「テロ集団とのたたかいのための両国の協力を強化する」(共同声明)ことがうたわれました。

 米国が対IS軍事作戦を拡大し、大規模な地上部隊派遣ということになれば、日本に自衛隊の兵站を求めてくる危険は高まります。戦争法の廃止とACSA撤回を求めるたたかいが重要です。


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