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2017年3月14日(火)

きょうの潮流

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 色鮮やかな大漁旗をはためかせながら、漁船が帰ってきました。福島・浪江町の請戸(うけど)漁港。震災で破壊された港の復旧が進み、今月末には避難指示が解かれることから6年ぶりに母港へ▼新しい船も目立つ復興への一歩。しかし港の周りはいまだに荒れ地がひろがり、点在する建物の崩れ果てた姿が時をとどめています。近くの請戸小学校は今も立ち入りが制限され、校舎の時計は津波に襲われた時を示したままです▼この春、帰還困難区域を除く4町村、約3万2千人に対する避難指示が解除されます。浪江町では人口の8割が対象となりますが、直近の調査でも戻りたいという住民は全体で2割にも達していませんでした▼全町避難が続いてきた富岡町も一部が解かれますが、戻る意向を示している住民はわずか十数%。役場も町内で業務を再開しましたが、いままで仮役場のあった二本松市から片道2時間もかけて通う職員もいます▼道路や鉄道、役所や商業施設が整備されても原発事故によって人が消えた町は荒れ果て、いまだ多くは静寂に包まれています。日本共産党浪江町議の馬場績(いさお)さんは、現状を見ない避難解除を国の責任逃れだといいます。「賠償や支援の打ち切りとセットになっている」▼政府主催の追悼式。原発事故を口にしない安倍首相に「違和感を覚えた」という福島県知事。ふるさと、生活のすべてを奪った原発事故は「過去形ではなく現在進行形だ」と。何年たってもそこに原発がある限り、あの日常は取り戻せません。


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