2017年2月24日(金)
きょうの潮流
金曜日が「花金(はなきん)」と呼ばれ、世間で流行したのはバブルの頃だったか。週休2日だから、金曜の夜は遅くまで遊んじゃおう。そんな宣伝や会話があちこちで交わされた記憶があります▼今や死語の感がある「花金」。完全週休2日制も進まず、厚労省の調べでもいまだに採用の企業は半分以下です。週休2日はおろか有給休暇の取得率も5割にとどかず、休みたくても休めない労働者がたくさんいるのが実情です▼「プレミアムフライデー」。政府や経済界が毎月末の金曜日をそう名付けました。午後3時の退社を促し、買い物や外食、旅行にと個人消費がひろがることを期待して、きょう初めて実施されます▼百貨店や飲食店は盛り上げるためのイベントを計画。編集局近くの旅行会社も“金曜から旅に出よう。2017年2月から金曜が特別な日に変わります”と盛んにあおっていました。経済効果を強調する一方で、自分たちには関係ないと冷ややかな声も上がります▼いま国会では安倍政権の「働き方改革」が批判を浴びています。早上がりどころか過労死ラインを超える残業、過去最高となった非正規雇用、いっこうに上がらない賃金…。それを正さず助長させるような「改革」は改悪だと▼電通で過労自殺した高橋まつりさんの母は安倍首相に思いをぶつけました。「ぜひ実効性があるようなものにしてもらいたい」。誰にも豊かな時間を保障する人間らしい働き方。それは決して特別なものではなく、日常になる社会の実現をめざして。