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2017年1月26日(木)

主張

衆参代表質問

根本正す対案を受け止めよ

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 安倍晋三首相に対する衆参両院本会議での各党代表質問を聞きました。施政方針演説では、都合のいい話だけを並べ事実を覆す暴走姿勢を際立たせた安倍首相―。日本共産党の志位和夫委員長は衆院で、小池晃書記局長は参院で、政治が直面している深刻な現実を告発し、根本をただす対案を提起しましたが、首相は開き直りとごまかしの答弁に終始するばかりで、正面から受け止めようとしません。こんな姿勢では、まともに議論する前提も成り立ちません。かみ合った討論をする意思も、能力もない首相に政治は任せられません。

現実に目つぶる無責任

 現実に目をつぶる首相の無責任さの典型は、安保法制=戦争法にもとづき自衛隊をPKOに派兵している南スーダン情勢の認識です。同国の内戦状態の中で政府軍が国連PKOに敵対的行為を繰り返していることは、国連報告書に克明に記されています。自衛隊が「駆け付け警護」などを行えば武器を使用することになり、憲法が禁じる海外での武力行使になる―。志位氏の追及に、首相は“安全”と言い張りました。国連安保理に提出された南スーダンへの武器輸出禁止決議案が、同国の危機的情勢を認めたくない思惑の日本政府の棄権により廃案になったことも首相は正当化しました。派兵ありきの道理のなさは明白です。

 現実を直視しない首相の姿勢は、格差と貧困の拡大の問題でも、はっきり示されました。志位氏は、この20年間、富裕層には金融資産の増大などで富が集中する一方、平均賃金の減少をはじめとして中間層が疲弊し、ワーキングプア世帯や貯蓄ゼロ世帯の激増など貧困層の拡大が進んだ事実を認めるのか、と迫ったことに対して、首相は都合のいい数字を持ち出し、ごまかし続けました。

 格差と貧困をただす改革として志位氏は(1)税金の集め方(2)税金の使い方(3)働き方改革(4)大企業との格差をなくす中小企業支援―を提案しましたが、首相は受け止めません。長時間労働根絶へ「残業は週15時間、月45時間以内」という大臣告示を直ちに法制化することを求めても、具体的に答えません。首相が口にする「長時間労働是正」の内実が厳しく問われます。

 国連総会で賛成多数で採択された核兵器禁止条約の交渉開始決議に日本政府が反対したことや、沖縄の民意を無視した米軍新基地建設の強行、墜落事故を起こした米海兵隊機オスプレイの飛行訓練の再開容認などについて首相には反省がありません。異常なアメリカ追随外交からの根本的見直しが、いよいよ痛切に求められます。

政治の転換へ共同を広げ

 改憲姿勢をあらわにしながら中身に触れない、内心の自由を取り締まる「共謀罪」は危険を隠し推進する―。首相は全く不誠実です。

 小池氏が、文部科学省の天下りあっせん問題の責任や、東京電力福島第1原発の事故処理費用の膨張と国民負担増をただしても、首相はまともに答えませんでした。

 国政で問われている中心問題で国民に語る言葉がない安倍政権の行き詰まりは明らかです。強権・暴走を重ねる政治に未来はありません。野党4党はそろって安倍政権と対決する立場を明確にしています。野党と市民の共闘をさらに発展させ、政治を転換させるたたかいを強めることが重要です。


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