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2017年1月3日(火)

きょうの潮流

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 「一番に耳より年ぞ酉(とり)の声」(杉木望一)。2017年は酉年。元旦に鳴く鶏を初鶏といい、季語となっています▼酉の字は口のすぼまったつぼをかたどっています。転じて酒、酸、醤(しょう)など発酵に関係ある字に使われます。十二支は古代中国で元々順序を示す記号だったといわれます。動物の意味を持つ理由については諸説あり、酉がなぜ鶏かはわかりません▼人類は多くの鶏の命をいただいて生きています。国連食糧農業機関によると、鶏肉の世界生産量は食肉で豚に次いで2位。近年急速に伸び、近く世界一になる見込みです▼それほどお世話になりながら、ことわざでは不当に評価が低い。「鶏群の一鶴」は多くの凡人の中に一人優れた人物がいること。猫ならぬ「鶏に小判」のたとえもあります。「鶏は三歩歩くと忘れる」は鶏に対してあまりに失礼です。大昔は神鳥とされました。『古事記』では岩屋に隠れたアマテラスオオミカミを外へ出すために鳴いた鶏が常世長鳴鳥(とこよのながなきどり)。太陽を呼び出すめでたい鳥です▼鶏を多く描いたのが江戸時代の画家、伊藤若冲(じゃくちゅう)。昨年東京・上野で開かれた生誕300年展には45万人が訪れました。今は京都で開催中。気品や孤高さといった、人格ならぬ“鶏格”が作品から伝わってきます▼もう一句。「初鶏に遥か麓の鶏こたふ」(高浜虚子)。元日の早暁、山の寒気を割いて高らかな一声。誘われて次々と鶏鳴が響きます。言わねばならないことを最初に一声。勇気のいることですが、誰かがしなくてはなりません。


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