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2016年11月18日(金)

きょうの潮流

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 「亡くなったことを受け入れることができません」。登校中の列に軽トラックが突っ込み、命を奪われた横浜市の6歳男児。突然の悲劇に家族は今も深い悲しみの中にいます▼栃木・下野(しもつけ)や東京・立川では病院の敷地内で乗用車が暴走し、3人の男女が死亡。いずれも運転者は80歳を超えていました。高齢ドライバーによる相次ぐ死傷事故。状況を知るほどやりきれない思いが募ります▼警視庁によると高齢の運転者が関与した交通事故の割合は年々高く。近年は総件数の2割を占め、10年前と比べて約2倍も増えています。死亡者数の高齢者の割合も増加の一途です▼認知症や加齢に伴う身体機能の衰えは、事故に遭い、事故を起こす危険を高めます。今の日本を象徴するクルマ社会と高齢化。重なる二つの課題は深刻です▼警視庁は運転免許の自主返納を促しますが、それだけで解決できる問題ではありません。マイカーがなければ生活できないお年寄り、過疎地では公共交通の廃止で足が失われています。免許取り上げや返納の強制がその人の誇りを傷つけることにも。事故を防ぐ道筋は一本ではないでしょう▼日本老年精神医学会は多岐にわたる提言を。道路交通インフラの安全対策や車の装備改善、返納者へのタクシーやバス乗車の利用券支給、認知症を一律に運転制限の対象としない―。社会の安全を担保しつつ、同時に高齢者の尊厳を守り、生活の質を保証することが欠かせないと。それは人にやさしい社会づくりにも通じるはずです。


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