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2016年11月4日(金)

年金受給資格期間短縮法案に対する

参院本会議 倉林議員の質問(要旨)

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 日本共産党の倉林明子議員が2日の参院本会議で行った、年金の受給資格期間を短縮する法案(年金機能強化法改正案)に対する質問(要旨)は次の通りです。


 国際的にも異常に長い日本の年金受給資格期間を25年から10年に短縮する本法案は、最大118万人と見込まれている無年金者を救済する上で喫緊の課題です。現行法では2019年10月の消費税増税まで施行が延期されるのを、来年8月1日施行とするもので、消費税増税と切り離して前倒しすることには賛成です。

 現行法の最大の問題は、受給資格期間短縮のための財源を消費税の増収分とセットとしている点です。受給資格期間短縮に必要な額は650億円にすぎず、歳出のごく一部を見直せば確保できます。消費税増税に頼らない恒久的な制度として実施すべきです。

 無年金者救済のための課題は残されたままです。10年で受給資格を得た場合、受け取れる額は月1万6000円です。報酬比例部分がある人も含め、新たに年金を受け取る人の平均受給額は月2万1000円にすぎません。

 年金生活者支援給付金として、低年金に最大月5000円を上乗せするとしますが、施行は消費税10%への増税時とされ、加入期間が10年の場合、加算額は満額の4分の1で、月1250円にしかなりません。生活者支援給付金に、保険料の納付期間を比例させるべきではありません。定額で月5000円加算すべきです。

 12〜15年に実施された年金保険料の10年後納制度では、納付人数は118万4747人、納付額は2396億円以上です。後納制度の有用性は明らかであり、恒久化を検討すべきです。

 受給資格期間を短縮しても、残される無年金者は26万人に上ります。無年金から救済されても低年金の問題が残ります。すでに年金を受給している人でも、相次ぐ年金削減に加え、医療や介護の負担増・給付削減が続く中で、高齢世代の貧困・生活苦が深刻化しています。

 それにもかかわらず、政府が今国会に「年金カット法案」を提出していることは大問題です。これ以上の年金カットは高齢者の貧困と生活苦を助長し、家族の生活をも圧迫します。年金のほとんどが消費に回っており、地域経済に直結する問題です。

 政府が社会全体の所得と消費を底上げする具体策の一つとしている受給資格期間の短縮と、年金カットを一緒に提案するのは明らかな矛盾です。全ての世代が安心できる年金制度への改革こそ必要です。財源は消費税頼みでなく、「能力に応じた負担」の原則で、所得税の累進課税の強化、法人税の大企業優遇の見直しなどで確保できます。


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