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2016年10月20日(木)

きょうの潮流

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 英雄が一転して容疑者に。映画「ハドソン川の奇跡」は事故後の緊迫した状況を描き出します。前代未聞の川への不時着。果たして、その判断は正しかったのか▼離陸直後に鳥を巻き込んで両エンジンが停止しながら、長年の経験と瞬時の判断で乗客乗員155人の命を救った機長。しかしその後、日中は事故調査委員会からの事情聴取、夜は墜落の悪夢に悩まされる。最後に裁かれたのは―▼映画からにじみ出るのは極限の状況で最善を求めて力を尽くしたプロの力量と人間性です。実際、あのとき機長をはじめ副操縦士や客室乗務員の全員がベテランでした。着水後に浸水した機体から乗客を無事脱出させたのも彼らの冷静な対応と連携があったから▼日常の運航を支えているのは生身の人間の労働です。そこで培った経験や知識、技術は会社の宝であり、安全の砦(とりで)でもあるはず。その宝を切り捨てたのが日本航空です▼今のやり方は安全の土台を切り崩している。元日航機長で労働組合でも先頭に立ってきた山口宏弥さんはいいます。現在も不当解雇とたたかう山口さん。単独機として世界最悪の事故を起こした背景には日航の非人間的で放漫な経営体質や、日本の航空行政の問題があると指摘しています▼利益なくして安全なしの姿勢は今も。現場では「人がいない、時間がない、部品がない」が常態化していると。ハドソン川の奇跡と日航の歴史はそこに働く人たちが自信と誇り、希望がもてる姿が空の安全につながることを示しています。


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