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2016年10月5日(水)

きょうの潮流

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 戦前の哲学者として知られる三木清は福沢諭吉の「学問のすすめ」の近代的な人間観や社会観を評しながらこう断言しました。「人が学問するのは、ほんらい自由独立である人間が真に自由独立になるためである」▼人がやらないことをやろうと―。日本人で25人目のノーベル賞受賞者となった東工大栄誉教授の大隅(おおすみ)良典さんは“へそ曲がり”を自認する研究者だったそうです。30年ほど前、たった1人の研究室で始めたことが世界から称賛を浴びました▼「オートファジー(自食作用)」と呼ばれる細胞のリサイクル。その仕組みを解明した研究は、がん治療や老化の抑制にも期待されています。本人はそれにつながると確信していたわけではないといいますが、いつかは未来に貢献すると信じていたのでしょう▼何のため、誰のための学問であり、研究なのか。つねに内なる自分に問いかける科学者の原点です。3年連続のノーベル賞にわく日本でそれを揺るがす事態が起きています▼安倍政権の戦争できる国づくりと一体となった軍学共同研究。防衛省から資金提供を受ける大学・研究機関の動きは、これまで科学者たちが掲げてきた「戦争を目的とする科学の研究には絶対に従わない」との理念に反するもの。反対の動きも急速にひろがっています▼先の戦争中に治安維持法で捕まり獄死した三木は学問の自由と理念を説きました。その大切さは今も。問われているのは人類の発展や人々の幸福のためにあるという科学者としての矜持(きょうじ)です。


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