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2016年9月25日(日)

きょうの潮流

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 NHKEテレの「バリバラ」が注目されています。障害者のための情報バラエティーと銘打った番組。“障害者=感動”の図式でいいのかと一石を投じました▼放送時間が8月恒例の日本テレビ「24時間テレビ」と重なり、これにぶつけて対抗したとも受け取られました。しかし、「バリバラ」が本当に問いかけたかったのは、「障害者をモノ扱いする社会のあり方」です▼NHKが障害者をどう取り上げてきたかも自己点検。1950年代の「かわいそう」から80年代の「けなげ」へ。“感動”が形成されていったことがわかります▼番組は大阪放送局が制作。前身の「きらっといきる」を受けて2012年にスタートしました。障害のある視聴者からの「テレビの取り上げ方は画一的ではないですか」という声がきっかけでした▼一方の「24時間テレビ」は78年に放送開始。福祉や貧困、地球環境の問題にも迫りました。ちなみに井伏鱒二原作、森繁久弥主演の特集ドラマ「黒い雨」(83年)も記憶に残ります。スタッフは「取材すればするほど社会の矛盾が明らかになっていく」と語っていました。ところが、日本テレビは92年に「楽しんで感動する番組」への路線変更を宣言します▼政府批判につながりかねない面倒な放送は避けたい経営陣。今回の「バリバラ」の反響に神経をとがらせる動きがNHKの中にあります。障害を持つ人々が制作スタッフと交流する中で生まれた番組。時に笑いとばし、時に考えさせる、その志が続くことを願います。


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