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2016年9月13日(火)

きょうの潮流

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 1899年9月13日、ニューヨークの街頭で不動産業者ヘンリー・ヘイル・ブリスにタクシーが衝突。翌日死亡しました。米国初の自動車による死亡事故といわれます▼「初」を客観的に証明することは困難なので、この場合も「といわれる」としか言えません。ただ、100年後に交通安全を願う追悼の銘板が現場に設置されたと伝わることからすると、歴史的な出来事だったようです▼全日本交通安全協会によると、交通事故死者数(事故後24時間以内)は昨年4117人。最多だった1970年の1万6765人と比べれば4分の1ですが、人の命は何より重い。突然命を奪われる事故の悲惨さに変わりはありません▼いま自動車業界は自動運転車の開発を競っています。レーダーやカメラ、GPSを使い、機械が正確、安全に走行させるという技術です。2020年ごろの実用化をめざしています▼技術の発展は人の生活を変えます。往々にして法や規範はそれに遅れがちです。ブリスの死亡事故を起こした運転手は殺人罪に問われたものの無罪になったとか。車が人を死に至らしめることがあるという前提で法がつくられていなかったためでしょう▼自動運転は本当に安全なのか。三菱自動車とスズキの燃費不正、フォルクスワーゲンの排ガス不正は、メーカーが無条件に信頼できる存在ではないことを示しました。公道を走るようになったとして事故時の責任はどうなるのか。技術は人を幸せにすべきもの。社会のルールづくりが問われます。


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