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2016年9月9日(金)

きょうの潮流

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 決して演出などではなかったはずです。7日(日本時間8日)、パラリンピック開会式のクライマックスでアクシデントは起きました▼スタジアムに入ってきた聖火。最終ランナーの一人、マルシア・マルサールさんが受け取って歩み始めました。ブラジルにパラリンピック初の金メダルをもたらした陸上の名選手です▼脳の障害から右手でつえをつき、不自由そうな左手で聖火を持つ、たどたどしい歩み。そこを降り出した雨が襲います。その雨のいたずらか、彼女は突然にトーチを落とし、バランスも崩し転倒してしまいました▼どよめくスタンド。スタッフの手助けでなんとか立ち上がった彼女を、観衆が大きな拍手と声援で後押しし始めました。困難を越えようとするマルサールさんと、みんなの共同作業で聖火は無事、次のランナーに手渡されました▼国際パラリンピック委員会のフィリップ・クレーブン会長は選手に呼びかけていました。「世界中の皆さんにパフォーマンスを通じてメッセージを発信してください。みんなが一つになれるということを」。そんな言葉を体現したすてきな光景でもありました▼大会には159の国と地域が参加し、日本選手のあふれる笑顔もありました。パラリンピアンが障害を乗り越えて競技に向かう姿は、いつも心洗われる美しさ、明日を生きる強さをくれます。開会式のテーマは「限界のない心」。そんな心を持った選手たちが何を見せてくれるのか。12日間の“演出のないドラマ”が幕を開けました。


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