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2016年8月20日(土)

きょうの潮流

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 同じ時代に生きている幸せ。分野を問わず、時にそれを感じさせてくれる人物が現れます。スポーツの世界では陸上男子短距離のウサイン・ボルト選手がそうでしょう▼100メートルにつづき、200メートルでも五輪3連覇。今大会で世界記録の更新こそなかったものの、彼の走りは世界中の人びとの胸を熱くさせます。そこにはつねに、人類はどこまで速くなれるのかという、限界に挑む姿があるからです▼ジャマイカの森を駆け回っていた子どもが短距離競走に目覚めたのは小学生のころ。毎週の川への水くみで体中に筋肉がつき、体幹が鍛えられた少年はレースのたびに勝ちまくります。やがてその走りは関係者の目にとまり、陸上人生を歩むことに▼9秒58。ボルト選手が100メートルで驚がくのタイムを出したのは7年前のベルリン世界選手権でした。「時がまるでスローモーションのように刻まれ、心臓の鼓動が感じられた」。その時の心境を彼は自伝の中で語っています▼100メートルの記録はどこまで伸びるか。以前、スポーツ医科学の専門家に聞いたことがあります。答えは「人類は9秒50で走れる可能性がある。まだ人間の能力は未知の部分が多い」。それをクリーンな心と体で証明し、スポーツの価値を輝かせたところに彼の最大の功績があります▼女子レスリングを高みに引き上げてきた吉田沙保里選手もその1人。だから銀メダルに、ごめんなさいなんて謝らないで。あなたもまた、人間の可能性を切り開き、前に進めた先駆者なのだから。


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