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2016年7月23日(土)

きょうの潮流

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 素っ裸の島。かつて返還前の沖縄を見て回った岡本太郎は、そう表現しました。美しい自然の中で育んできた独自の文化、人びとの素朴な生活。そこには痛切な生命のやさしさがあったと▼忘れられた日本を沖縄に見たという芸術家は、一つの恋のようにこの島の生命力に強烈に引かれます。そのとき夢中でシャッターを押した数々の写真が現在、岡本太郎記念館で展示されています▼「文化はその土地、自然の環境の中にひらくもの」。岡本が魅せられた独特の表情。それが色濃く残るやんばるの森にいま沖縄の怒りが満ちています。安倍政権が強行する米軍ヘリパッド建設。現場の東村高江では抗議する住民らを機動隊が力ずくで排除しています▼静かな森に響く怒号と悲鳴。ここで家族と暮らす安次嶺雪音(あしみねゆきね)さんは「この自然豊かな森の中で子育てをしたい。その思いすら断たれている」と訴えました。そして、この国はどこまで私たちを苦しめるのか、と▼県議選、参院選と、今年に入ってからも沖縄県民の基地ノーの意思は揺るぎなく示されています。ヘリパッド建設も県議会は反対を決議。しかし、それをことごとく無視する政権は辺野古新基地建設をめぐっても沖縄県を提訴しました▼「もはや沖縄であって沖縄ではない」。県民に痛切な苦しみをもたらす基地が、いかにこの島の生き方と相いれないものか、人間の根源的な生き方とは何か、を問うた岡本。それはいま、自然とともに平和に生きようとたたかう人たちの心にも通じます。


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