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2016年7月13日(水)

NHK「徹底討論 日本の政治はどう動く」

小池書記局長の発言

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 日本共産党の小池晃書記局長は11日夜、NHKスペシャル「徹底討論 日本の政治はどう動く」に出席し、自民、公明、民進、おおさか維新の各党代表と討論しました。

参院選結果をどう受け止めるか―政治を変える希望を灯した野党共闘

 番組ではまず、参院選結果をどう受け止めるかについて各党が発言しました。小池氏は、「市民と野党が力を合わせてたたかった歴史的な選挙でした」と強調。32の1人区のうち11選挙区で野党統一候補が勝利したことは「政治を変える希望をともした、かけがえのないものです」と述べました。同時に日本共産党が、改選3議席を6議席に前進させ、比例代表で前回の515万4千票を601万6千票に伸ばしたことは重要であり、「躍進の流れをさらに強めていきたい」と語りました。

 1人区のたたかいがテーマになり、民進党の枝野幸男幹事長は、「従来自民党が強いといわれていた東北地方を中心に一定の成果を挙げることができた」「強化していって、しっかりとした受け皿をつくっていかねばならない」と発言。これに対し自民党の茂木敏充選対委員長は「野合」だと非難し、「われわれは21勝11敗。野党共闘は厳しかったのではないか」などと述べました。

民主主義の新段階

 小池氏は、「11勝は大きい。力を集めたから勝てたことは間違いない」と強調。無党派層の多くが野党統一候補に投票したことにふれ、「今までは野党がばらばらで1票を投じても生きないんじゃないかと考えられていたかもしれない。それが、自分の1票によって政治を変えることができるという希望を広げたという点では、日本の民主主義が新たな段階に進んだといっていいと思います」と強調しました。

 公明党の斉藤鉄夫選対委員長は、共産党は「民進党の自由と民主主義という基本的価値観と相いれないのではないか。基盤が同じでない」と中傷。おおさか維新の会の馬場伸幸幹事長も「民共連合は同床異夢」と攻撃しました。

 枝野氏は、「(野党は)立憲主義、安保法制に限らず、格差の拡大に対して暮らしをしっかり下支えをしていくなど具体的な政策もかなりの部分で共有ができた」と反論。「政党が違う以上、考え方が違うのは当然です。そのなかでどういうことが共通できるのか国民のみなさんにしっかりとお示しをして、その結果、1人区では11勝つという結果を出せた。民進党だけではとてもこんな結果は出せなかった」と述べました。

立憲主義取り戻す

 小池氏は、「自由と民主主義を共有しているからこそ一緒にやっている。安倍政権は、『私が最高責任者だ』といって従来の自民党の憲法解釈さえひっくり返す、これは民主主義じゃない、独裁政治です。それに対して、民主主義、立憲主義を取り戻す。同時に、さまざまな政策課題で一致点が広がるなかで、われわれは共闘している」と反論しました。

憲法問題について―憲法の大原則を否定する自民改憲案

 憲法問題では、安倍晋三首相が11日、「自民党の案をベースに3分の2を構築していく」と述べたことが紹介され、自民・茂木氏は、「憲法審査会で議論を進めるなかでコンセンサスを築いていきたい」と発言。斉藤氏は「憲法審査会で虚心坦懐(たんかい)に議論していくべきだ」、馬場氏も「わが党は憲法改正の条文を提案している。各党も出したらいい」と応じました。

 枝野氏は「憲法の基本三原則、平和主義、基本的人権の尊重、国民主権を否定している自民党の草案を前提にしたのでは議論にならない」と批判しました。

国家が国民を縛る

 小池氏は、「自民党の改憲案は、憲法9条2項を削除して国防軍を創設し、地球の裏側まで何の条件も付けずに戦争ができるようにする。緊急事態条項の名で事実上の戒厳令を敷いて憲法停止状態をつくる。基本的人権を侵すことのできない永久の権利と定めた憲法97条を丸ごと削除し、公の秩序すなわち政府の都合で基本的人権を制約できるようにする」と指摘。「憲法は国家権力を縛るものなのに、自民党改憲案は国民を縛る。憲法の大原則、基本原理を丸ごと否定するものです」と批判し、「選挙中は議論を逃げておいて、3分の2を取ったからやるなんて絶対許されません」と述べました。

問われているのは自衛隊の海外派兵

 これに対し茂木氏は「共産党は自衛隊が違憲だと言うんだったら、憲法審査会で議論をされたらいかがですか」などと発言しました。

 小池氏は「今度の選挙は、熊本の地震、東日本大震災で大きな役割を果たしている自衛隊を海外の戦争に出していいのか、このことが問われた選挙じゃないですか。争点そらしをやっちゃだめですよ」と批判。NHKの世論調査で、「改憲が必要だ」と答えた人が39%から33%に6ポイント減る一方、「必要ない」という人が25%から32%に7ポイント増えていることをあげて、「安倍政権のいろんなやり方、自民党の改憲草案を見て、これは危ないんじゃないかと見る方が増えてきている。ここはしっかり受け止めたほうがいいと思います」と述べました。

消費税増税延期と社会保障について――消費税頼みから脱して税逃れをただせば財源はある

 消費税10%の先送り表明を受けて社会保障「拡充」策が議論となり、茂木氏は、自公が公約してきた無年金や低年金者対策などについて、「全て実施するよりも優先順位をつけながらやっていきたい」と発言。斉藤氏は「消費税を社会保障財源とするのは世界的な流れ」と述べました。

 小池氏は、「消費税頼みでは財政再建も社会保障の充実もできないことがこの間の教訓です。税金は消費税だけじゃない。法人税もあるし、所得税もある。税逃れのタックスヘイブン(租税回避地)をただしていく。そこで財源をつくることを考えるべきです。社会保障は消費税とリンクさせる考えから抜け出さない限り未来がない」と強調しました。

 枝野氏も「消費税だけに社会保障を依存するのは限界がある。消費税が上げられている一方で他の税目が減税になっている。しっかり見直していく必要がある」と述べました。

大企業も中小企業並みの負担を

 小池氏の発言に対して斉藤氏は「世界とのバランス、競争上、法人税や所得税をこれ以上あげられるのか」と主張しました。

 小池氏は、実際の税の負担率をみると、中小企業は利益の20%なのに対し大企業は12%だと指摘し、「せめて中小企業並みに大企業が法人税を払えば6兆円の財源ができる。負担能力に応じて取ろうではないかというのが私たちの提案です」と発言。自公がいう部分的な社会保障の「充実」策は、8000億円程度あればできると指摘し、「安倍政権になってから法人税の減税を3兆円やっている。これから1兆円もやる。これをやめればいい。それで十分財源はできる」と重ねて指摘しました。

日本経済をどうするか―国民の暮らしを下支えする政策に転換を

 経済対策について茂木氏は「成長分野をつくっていかなくてはいけない」、斎藤氏は「新たなモノを作り出す構造改革が必要だ」と主張。これに対し枝野氏は「将来の不安や実質的な賃金、こうした部分をどう下支えしていくのか。ここがないと消費の拡大につながらない」とのべました。

 小池氏は「買いたいものがないから個人消費が冷え込んでいるんじゃない。買えない。所得が減っている。実質賃金が低下しているわけです。国民の暮らしを下支えする経済政策に転換しなければいけない」と強調。最低賃金を中小企業支援とセットで大幅に引き上げていくこと、大企業の300兆円の内部留保を賃金などに還元させること、社会保障も充実させることによって地域経済を支え、雇用を生み出すことになると強調し、「成長と分配は二律背反じゃない。きちっと分配政策をやっていくことが、力強い政策になる。経済に民主主義を取り戻すことが経済成長になる」と強調しました。

 茂木氏も「賃上げをきちんと進めることによって可処分所得を増やせば、ほしいものも買えるようになる」と否定できませんでした。

これからの日本の政治について―与党に対し野党がしっかり立ち向かう

 これからの日本の政治に何を望むか、がテーマになり、「自民党支持ですが、野党がもっとしっかりしないと」という視聴者の意見が紹介されました。

 小池氏は「今度の選挙で選挙協力がこれだけ行われたことは、しっかりしろという声に応える一つの大きな挑戦だったと思います」と述べた上で、「新しい国会は、一緒にたたかった仲間がいるわけで取り組み方も質的に変わってくるのではないかと期待しています。ここまで多くの議席を占めた与党に対して野党がしっかり正面から立ち向かう姿をしっかり国民にお示ししていきたい」と述べました。

安保法制の廃止を

 最後に、当面の政治の状況にどう向き合うのかについて各党が発言しました。

 小池氏は「今度の選挙で訴えた公約の実現のために全力をあげることに尽きます。同時に、その公約のなかで一番は安保法制の廃止です。憲法をきちんと守るまっとうな政治に取り戻すことが何よりも求められていると思います。立憲主義の回復という旗をしっかり今度の国会でも訴えていきたい」とのべました。


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