2016年7月10日(日)
「月5万〜10万円の負担増」「特養入所の望み絶たれた」
介護保険改定 影響深刻
認知症の人と家族の会調査
認知症の人と家族の会は、2015年に行われた介護保険改定の影響について利用者・家族への調査を実施。200を超える回答が寄せられました。このほど公表された「当事者の声」からは、費用負担増やサービス利用などでの重大な影響が浮き彫りになっています。
低所得の高齢者が介護保険施設(特別養護老人ホームや老人保健施設など)の食費や部屋代を軽減される制度(補足給付)を受けられなくなったことへの悲痛な声が、多数ありました。
「預金が1千万円を超えるからと入所費用が2倍に。あと10年しかもたない。年寄りは10年生きればいいとでもいうのか」(要介護3の親が特養入所中。60代女性)、「個室から多床室に移ったがそれでも月13万円かかる。このままでは家族の生活も破たんする。改定は介護を続ける気力すら失わせる」(要介護5の夫が特養入所中。60代女性)―など。
単身で年金収入280万円以上の人は利用料が1割から2割に引き上げられました。多くが、月5万〜10万円も負担が増えたと訴え、なかにはやむなく施設を退所した人も。
「貯金は入院時の費用にあてるつもりだったが、取り崩さなくてはならなくなった。家族も年金世帯。お金のないやつは早く死ねということか!」(認知症の親3人が特養などに入所中。60代女性)
要介護1・2の人が「特養への入所の望みを絶たれ途方にくれている」などの声も寄せられています。