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2016年6月25日(土)

きょうの潮流

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 歓喜と失望が英国を二分しました。EU(欧州連合)からの離脱か残留か。世界が注視した国民投票、英国民の多数は「さようならEU」の道を選びました▼発足以降初めて加盟国が抜けた衝撃は大きい。残留を訴えてきたキャメロン首相は辞意を表明。EU第2位の経済大国の離脱は、統合を進める欧州だけでなく、各地に影響を及ぼしています。ポンドやユーロの暴落で日本でも急激な円高・株安が進みました▼離脱派が広がった背景には移民や雇用、暮らしへの積み重なった不満があるといわれています。英政府が発表した2015年の移民数は33万人超と前年より2万人も増加。そのうちEU諸国からの移民は半数を超えています▼英国はアメリカに次ぐ格差大国。格差の拡大と連鎖は国民生活を疲弊させています。そこに移民問題やEUの緊縮政策が拍車をかけました。もともと英国は自国通貨のポンドを使うなど、EUとは一定の距離をとってきました▼2度の大戦とナチスによる大量虐殺の惨禍を味わった欧州。戦後、平和や民主主義、人権や少数民族の尊重をかかげた共同体づくりが進んだのも、対立の歴史をくり返してはならないという思いがあったからです▼いま欧州では移民や難民排斥の動きとともに反EUを叫ぶ極右勢力が国民の政治不信につけこみ、勢いづいています。国境をこえた共同体の歩みは今後も紆余(うよ)曲折があるでしょう。しかし国を閉ざし、世界が内向きの発想へと走ってしまえば、歴史は逆戻りするだけです。


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