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2016年5月12日(木)

きょうの潮流

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 けなげでひたむきで、垣間見えるお茶目(ちゃめ)さが弾むようで、みずみずしい感性と精神の強靱(きょうじん)さを併せ持つ女性▼宮本百合子没後65年「百合子の文学を語るつどい」(8日)での日本共産党社会科学研究所所長・不破哲三さんの記念講演から、そんな生き生きとした百合子像が浮かんできました▼1930年から40年代前半、プロレタリア文学運動への激烈な弾圧下、百合子はたびたびの検束や執筆禁止の迫害に苦闘しながらも、人間として作家としてより良く生きたいと自己変革の努力を続け、成長していきます▼不破さんは、治安維持法によって獄中にあった夫・宮本顕治との12年にわたる1389通の往復書簡から未完の長編小説「十二年」の内容を探りつつ、顕治の助言を受け入れ実行する百合子の姿をほほえましく語りました。顕治いわく、規則正しく健康的な生活をすること、科学的社会主義の古典を読むこと、ジャーナリズムに依存しないこと、権力に対して毅然(きぜん)とした態度を堅持すること▼そして、44年の顕治の公判闘争に参加したことが百合子の画期的な飛躍となったと分析します。百合子は、顕治の弁論の客観的事実に立った精密で的確な論理構成に「リアリズムというものの究極の美と善(正直さ)」(「公判日記」)を認めて感動し、公判闘争を自らの文学の成熟に結びつけていきます▼戦争する国への暴走が加速する今、時代をつかみ、展望を見いだし、「生活の歌」(「道標」)を書き続けた百合子の志を引き継いでいきたい。


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