「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2016年4月15日(金)

主張

普天間無条件返還

米国に要求せぬ政権は異常だ

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 沖縄の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)の「全面返還」に日米両政府が合意(1996年4月12日)して20年を迎えたことに際し、安倍晋三政権は、名護市辺野古への「移設」が「唯一の解決策」と繰り返しています。合意から20年が経過しても返還が実現しないのは「(普天間基地の)県内移設ありきで物事を解決しようとする政府の姿勢」のためです(12日の翁長雄志沖縄県知事コメント)。「辺野古移設が唯一の解決策」と民意を無視してごり押しする安倍政権のやり方こそ「最大の障害物」です。

辺野古は「最も不合理」

 「辺野古移設が唯一の解決策とする立場は不変だ」「『急がば回れ』の考えの下、(沖縄県との)和解を決断した」―。岸田文雄外相は11日、ケリー米国務長官との会談でこう述べました。安倍首相がオバマ米大統領との会談(3月31日)で述べた発言と全く同じ内容です。普天間基地に代わる辺野古への新基地建設を繰り返し対米公約したものであり重大です。翁長知事による辺野古埋め立て承認取り消しの撤回を求めた代執行訴訟で安倍政権が「和解」に応じたのはあくまで新基地建設を進めるのが狙いであることは明らかです。

 12日には菅義偉官房長官も、「日米同盟の抑止力の維持と普天間飛行場の危険性除去を合わせた時に、辺野古移設が唯一の解決策だ」と強調しました。

 沖縄の米海兵隊は、「第3海兵遠征軍」という名称が示すように、海外への“殴り込み”専門部隊であり、「日本防衛」の任務を持っていません。「海兵遠征軍」が駐留しているのは世界で日本だけです。

 辺野古新基地は、侵攻輸送機オスプレイ部隊が配備され、同機をはじめ海兵隊部隊の洋上拠点になる強襲揚陸艦が接岸できる港湾機能や、弾薬搭載エリアなども新たに備えた巨大出撃基地として計画されています。耐用年数は200年とされます。普天間基地の単なる「移設」という生易しい代物ではありません。訓練の激化など「危険性」も拡大しかねません。

 普天間「返還」合意20年にあたり、日米両政府の元高官からも辺野古の新基地計画の実現可能性に疑問の声が上がっています。

 元駐日米大使のアマコスト氏は、この20年間の情勢変化などを挙げ、「普天間は必要不可欠な基地ではない」(沖縄タイムス12日付)と指摘しています。かつて首相官邸で安全保障を担当していた柳沢協二・元内閣官房副長官補は「海兵隊が抑止力として沖縄にいるべき根拠が崩壊している。誤った根拠で進める政策には無理がある。普天間の県内移設は『唯一の選択肢』ではなく、『最も不合理な選択肢』と言うべきだろう」と述べています(「東京」同日付)。

「オールジャパン」の声で

 代執行訴訟の福岡高裁那覇支部の「和解勧告文」は「本来あるべき姿としては、沖縄を含めオールジャパンで最善の解決策を合意して、米国に協力を求めるべきである。そうなれば、米国としても、大幅な改革を含めて積極的に協力をしようという契機となりうる」と記しています。沖縄県民に新基地建設を押し付ける安倍政権に一片の道理もありません。米国に対して「オールジャパン」で普天間基地の無条件返還を求める政治を実現するため、世論と運動を全国でさらに大きく広げる時です。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって