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2016年3月15日(火)

辺野古 沖縄県が係争委申し出

翁長知事「是正指示の理由ない」

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(写真)国地方係争処理委員会への審査申し出について記者会見する翁長知事=14日、沖縄県庁

 沖縄県は14日、米軍新基地建設に伴う名護市辺野古の埋め立てについて、承認取り消しの撤回を求めた国土交通相の是正指示(7日付)を不服として、総務省の国地方係争処理委員会に申出書を送付しました。係争委は申し出の受理から90日以内に審査の結論を出すことになっています。

 翁長知事は同日おこなった記者会見で、「是正の指示という、国の地方公共団体に対する関与が、違法か適法かが正面から問われる」と述べ、同委員会が地方自治の本旨に照らして中立・公正な審査・判断をするよう求めました。

 申し出は、国が県を訴えた訴訟に関して福岡高裁那覇支部が示した和解条項の第3項に従ったものです。

 翁長知事が明らかにした申し出の趣旨によれば、(1)国交相による是正の指示文書には、指示の理由が記載されておらず、地方自治法の定めに反している(2)具体的な理由・事実が一切示されていない以上、埋め立て承認取り消しに係る法令違反の事実を認めることはできない―と指摘しています。

 翁長知事はまた、「政府・沖縄県協議会」が23日に開かれ、米軍普天間基地の5年以内の運用停止や、北部訓練場の早期返還などについて協議することを明らかにしました。和解条項では、国と県が「円満解決」に向けた協議を行うことになっています。翁長知事は「枠組みを含めて(国と県の間で)結論をえて、その後の協議につなげることになっている」と述べました。

解説

今度こそ実質審理尽くせ

沖縄県名護市辺野古の新基地建設に関する訴訟で、国も沖縄県も円満解決に向けて真摯(しんし)に話し合うことで和解(4日)に達しました。ところが安倍晋三首相は、「辺野古が(普天間基地問題の)唯一の解決策」との姿勢を変えず、県との協議を一切行わないまま、和解からわずか3日後の7日に、石井啓一国土交通相が、県が出した辺野古埋め立て承認取り消しの是正措置を翁長雄志知事に勧告しました。

 沖縄大学客員教授の真栄里泰山氏は、和解について「県の緒戦での勝利」という認識を示した上で、「国はいつも法治国家だといいながら、福岡高裁那覇支部が示した『円満解決に向けた協議』という条件に反して、実にぶしつけで、地方自治法を無視するような是正指示を、話し合い抜きで一方的に出している。法治国家、裁判を尊重するようなやり方ではない」と憤ります。

 国の強権発動にたいし、県民の民意と地方自治を守る“防衛措置”が、今回(14日)の県による国地方係争処理委員会への審査申し立てです。

 沖縄県は昨年秋にも、辺野古新基地をめぐる国(国交相)の対応を不服として係争委に申し出ました。ところが係争委は、審査期間として設定された90日に満たない2カ月足らずで、県の申し出自体が「不適法」だとして、実質審理をしないまま申し出を却下したのです。

 今回の県の申し立ては裁判所の和解条項に基づく措置です。係争委は今度こそ、実質審理を尽くす責任があります。

(柳沢哲哉)

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