2016年3月4日(金)
きょうの潮流
一人ひとりが自分の居場所から声を上げよう、未来のために平和を紡いでいくことをあきらめない―。今週の「新婦人しんぶん」が特集した女性緊急アピールは圧巻でした▼戦争法の廃止、野党は共闘、憲法9条を守る。さまざまな分野で活躍する女性たちが1面から見開きで登場。それぞれの思いをこめて訴えています。改憲を平然と口にする政権のもと、こうした声は女性のみならず、いま全国にとどろいています▼日本が戦争に突き進んだあの暗黒の時代にも、ひるまずに声を上げ続けた人たちがいました。「山宣ひとり孤塁を守る だが私は淋しくない 背後には大衆が支持しているから」。墓碑にそう刻まれた山本宣治もその一人です▼87年前のきょう、山宣は大阪で開かれた全国農民組合大会の演壇に立ちました。翌5日、治安維持法改悪に反対する国会発言を封じられ、その夜、右翼の凶刃に倒れます。墓碑銘は彼の最後の演説からとったものです▼「喉を絞められて声が出なくなるまでやる」。凶暴な弾圧にさらされながら、信念をもって反戦平和を貫いた生涯。その人となりは、東京の山宣会が最近発行したブックレット『“我らのやません”と東京』に分かりやすく▼いま私たちの喉を直接絞めるような手はありません。しかし黙していれば、それは真綿でじわじわと。巨大な権力に臆せず立ち向かった山宣の生き方を今に受け継ぐ。過去から現在、そして未来へ。逆流とたたかい、平和を紡いでいく人びとを結びつけています。