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2016年2月11日(木)

きょうの潮流

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 ナチス政権によってぼろぼろにされた国を一からどうやって立て直していくか。第2次大戦後、西ドイツは苦心の末にボン基本法とも呼ばれる憲法をつくります。第1条は「人間の尊厳は不可侵である」▼日本も、憲法で「すべて国民は、個人として尊重される」(13条)と定めました。個人の自由と生存が絶対的な国家に支配された痛恨の過去。そこからの再出発にあたり、両国がなによりも個人の価値に重きを置いたのは偶然ではないでしょう▼寒風吹く夕、駅頭に立つ市民たち。神奈川のJR茅ケ崎駅で恒例の「9の日スタンディング」です。「9条壊すな」「戦争法は廃止」「野党は共闘」「原発再稼働反対」「アベ政治を許さない」―。それぞれの思いや主張を掲げた人びとが次々と集まってきます▼手作りのボードや横断幕、9条の条文をパッチワークキルトで表す人も。自衛隊がイラクに派遣された2003年の12月からつづく活動は今月9日、ついに参加者が累計で1万人に達しました▼個人が始めた意思表示。急激に増えたのは戦争法案をめぐるたたかいが高揚した昨夏から。いまでは日常的な行動に飛躍しています。呼びかけ人の岡本棟守(むねもり)さんは「ここで暮らし、人間関係も濃密な街で顔を上げて立つ。それには一歩を踏み出す勇気がいる」と▼ふたたび「個」の尊厳を奪おうとする強権政治のなかで、スタンディング行動は各地で。市民一人ひとりの意思が社会をつくっていく。いま日本中にひろがる、たしかな“市民革命”です。


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