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2016年1月26日(火)

宜野湾市長選で示されたもの

辺野古新基地信任ではない

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 沖縄県宜野湾市長選挙で自公政権丸抱えの現職・佐喜真淳氏が再選されましたが、米軍普天間基地の名護市辺野古への「移設」=新基地建設が信任されたものではありません。(尾崎吉彦)


「移設」不支持が過半数

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(写真)市街地上空を飛ぶMV22オスプレイ=21日、沖縄県宜野湾市

 この選挙で宜野湾市民が投票の際に最も重視したのは「普天間移設問題」で55%に上りました。また、普天間基地の辺野古「移設」を推進する政府の姿勢にたいして、支持しないと答えた人は54・9%に達しました(琉球新報などの出口調査)。宜野湾市民が辺野古新基地建設を望んでいないことは明確です。

 各紙も「今回の結果は、あくまで『世界一危険』といわれる普天間を一日も早く返還してほしいという市民の願いの表れだ。辺野古移設が承認されたと解釈するのは無理がある」(25日付「毎日」社説)、「今回の結果は、辺野古移設に対する賛意ではなく、生活を脅かす身近な米軍基地を一日でも早く撤去してほしいという切実な気持ちの表れと受け止めるべきだろう」(25日付「東京」社説)と論じています。

 選挙戦でも、志村恵一郎氏が辺野古新基地建設反対を明確に掲げたのに対し、佐喜真氏は争点隠しに終始し、「普天間基地の固定化は許さない」と安倍政権と対決するポーズをとりつつ、「移設先」についてはまったくふれませんでした。

 呉屋守将金秀グループ会長は、「宜野湾市民の苦渋を取り除くために、沖縄県民のほかに押し付けていいのかというような選択肢であれば全然、違ったのではないかと思います。(この選挙結果をもって)辺野古に移していいよということにはなっていません」と述べました。シールズ琉球の元山仁士郎さんも、「辺野古はだめだと言っている人も、まずは普天間の固定化をやめてほしいと佐喜真さんに入れていた。辺野古OKではない」と見ています。

政権挙げ現職テコ入れ

 辺野古新基地建設を推進するために宜野湾市長選をどうしても落とせないと位置付けてきた安倍政権は、選挙目前になって嘉手納基地以南の7ヘクタールの返還に関する日米合意を発表し、ディズニーリゾート誘致への協力まで約束。佐喜真陣営は、これらを“実績”として大宣伝しました。

 また、閣僚や国会議員、県外の地方議員、自公幹部も沖縄入りし、政権挙げてテコ入れを図りました。そのやり方も巧妙で、小泉進次郎衆院議員が市役所前にくると大宣伝して人を集め、演説が終わるとそのまま期日前投票に行こうと呼びかけるものでした。他の閣僚や幹部は街頭に立てず、もっぱら企業回り。公明党は、軽減税率導入合意以降、全県動員をかけ、公明党の宣伝カーが市内を走り回りました。

 志村陣営は、普天間基地の「移設」条件なしの返還、爆音停止、辺野古新基地反対を訴えている志村氏を選ぶのか、普天間基地の固定化を脅しに使い辺野古新基地を推進する安倍政権に推された佐喜真氏を選ぶのか、違いを鮮明にした訴えを全有権者に届けようと奮闘しました。訴えが届いたところでは、「志村氏にがんばってほしい」と変わりました。

 翁長知事も連日、志村候補とともに候補者カーに乗り込み、全力で志村氏への支持を訴えました。この知事の気迫の訴えが志村陣営の奮起を促しました。「絶対に負けられない」「佐喜真陣営からは何回も声がかかっている。もっとがんばってほしい」と声をかけてくる人も選挙最終盤、日に日に増えました。

 共産党が構えた四つの事務所は、「ひやみかち宜野湾うまんちゅの会」の事務所としても使われました。地域で活動している人たちが事務所に来て、情報を交換。お互い励ましあい、どうやったらそれぞれの地域で過半数の支持を獲得できるかと相談するところも出てくるなど、共産党と市民の共同も広がりました。

高まるオール沖縄の声

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(写真)志村恵一郎市長候補の訴えに声援を送る人たち=23日、沖縄県宜野湾市

 選挙結果を受けて、政府は従来の方針通り辺野古新基地建設を進めると発言しています。佐喜真氏の当選で沖縄の民意が変わったわけではなく、民意をゆがめて新基地建設を進めることは、民主主義の否定です。

 名護市の稲嶺進市長は、「県民の世論は何も変わっていないと思います。これからも知事を先頭にしっかり県内『移設』をはねのけ、辺野古は駄目だということを訴えていくことには変わりはない」と語りました。

 翁長知事は、「『オール沖縄』は一つの壁にぶつかったのではないか」と記者団に問われ、「私たちが今日まで主張してきた『オール沖縄』の意見というものは高まりこそすれ、これが鎮まることはないと思っています」ときっぱりと語りました。

 宜野湾市長選が争われているさなか、「オール沖縄会議」が結成されました。翁長知事を先頭に辺野古新基地建設反対、オスプレイの配備撤回を求める「建白書」実現のオール沖縄のたたかいは、さらに広がっています。


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