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2015年12月18日(金)

きょうの潮流

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 名言といわれるものでも、それを発した人物の生き方によって響き具合が違ってきます。逆に言えば、その人の歩みからにじみ出た言葉ほど、胸を打つということなのでしょう▼この人の言葉も、重みを感じさせました。今季限りで現役を退くことになった女子サッカーの澤穂希(ほまれ)さんです。「夢は見るものではなく、かなえるもの」。貧しい環境を変えたい、日本を世界のトップに引き上げたい―。その夢に向かい、体を張ってきた開拓者でした▼道のりの険しさは小学生のころから。男子に交じってチームの中心選手として活躍しながら、全国大会に出られず。女子は認められない、の一点張りで。このとき早くも彼女は、女子選手が活躍できるようなレールを敷きたい、そのために努力すると誓いました▼15歳で代表デビュー。以来、20年以上も背番号10は日本の女子サッカーをけん引しつづけてきました。数々の試練を乗り越え、「苦しい時は私の背中を見て」と、仲間たちを励ましながら▼選手としての集大成は世界一に輝いた2011年のW杯ドイツ大会でしょう。分厚い壁だった米国との決勝戦。終了間際の起死回生の同点ゴールは、高度な技術や判断力、集中力が一瞬に結実する“神業”でした▼チームのため、女子サッカーのため、全力で走りつづけた澤さん。「悔いのない最高のサッカー人生だった」。すがすがしい表情を見せた引退会見では次の夢を。「底辺を広げるためにも、子どもたちに夢を与えられるようなことをしたい」


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