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2015年10月31日(土)

きょうの潮流

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 日本の都市の多くは河川下流の平野部にひろがります。そこは沖積層と呼ばれる比較的新しい地層で軟弱な層が多い。地盤沈下や液状化をはじめ、住宅建設には細心の注意が必要です▼さらに日本は地震大国。地盤の弱さや揺れに対して、欠かせないのが杭(くい)打ちです。支持層という深く固い地盤まで杭を伸ばし、建造物を支える基礎をつくるからです▼命綱ともいえる礎の工事。そこで次々と偽装が発覚しているのですからたまりません。横浜市の傾斜マンションにつづき、同市や都内の学校、道営住宅2棟と、不正が横行していたことがわかります▼「ごまかしは昔からあった」。本紙社会面の連載で長年杭打ち現場で働いてきた労働者が証言しています。生コンの量を減らしたり、データをごまかしたり。ほかにも、自分もやっていたという下請け業者が出てくるなど、いまや構造的な問題になってきました▼何次もの下請けを使いながら、元請けの大手ゼネコンは工期の厳守を何よりも優先させています。下請けは書類をそろえるだけで精いっぱい。不備が見つかっても元請けにやり直しを言い出せない状況があるといいます。偽装の背景にこうした業界の体質が見えてきます▼発端となったマンションの住民が途方に暮れていました。「終(つい)の住み家と思って退職金をはたいたのに…。人生が狂ってしまった」。安全を軽んじ生活の基盤を崩した重い罪。国や行政の検査体制とともに、命の上に利を置くような風潮を見直さなければなりません。


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